船旅1日目です。
全速前進です!
船長さんに言って、光の精霊王様がいるからとそのまま船を進めて貰いました。
「本当に大丈夫なのかい?」
それでも不安が残るのか心配そうに尋ねて来ました。ええ、大丈夫ですとも!美味しい料理の為なら、魔王さえ屠りそうな勢いですからね!
『キシャーーーーーーーーー!!!!』
近付くと、威嚇の大声を上げて来ましたよ。海の表面に頭を出しながら近付いて来ました。そして大きな口を開けて船首にガブリッと行きそうな時に、私はが風の魔法で真空の刃を飛ばしました。
ザッシュ!!!
一撃でシーサーペントの頭が本体と別れて海に浮かびました。
(良かった。沈まなくて)
「すごい!!!!!」
「一撃だと!?」
船の船員さん達は大喜びです!
「所で、シーサーペントの美味しい所はどこなの?」
尋ねてみるとすぐに教えてくれました。
「シーサーペントは表面の皮以外は全て食べられます!ヒレはサメのフカヒレのように美味しく、その身はウナギのようにホクホクジューシーです。しかも牙は武器素材ですが、舌や脳ミソはかに味噌の様に1番人気があります!」
おおぅ……まさに海の高級食材がまとまって手に入る感じだね!でも、ちょっと血抜きが面倒かなー?どうしよう……
「シオン、血抜きを手伝うよ」
「お兄様どうすればいいですかね?」
お兄様は簡単だよと言って水魔法で海の海面に立つと、風魔法のカマイチでシーサーペントをぶつ切りにした。
「ちょっとヤバいですよ!!血の匂いで魔物が集まってきます!」
船員さんが慌てて叫ぶ。でも考えてあるんだよねー
今度は私が風魔法で竜巻を起こし、血の混じった海水を遠くまで吹き飛ばしていった。甲板に乗せきれないほどの大きなシーサーペントの身体をロープで縛り船で引いていく形となった。ひかりさんが簡易結界を張って魔物や普通の魚に喰われないようにしたの!
(そこまでして食べたいのか……)
その日の夜ご飯はシーサーペントのフカヒレスープに片栗粉を混ぜてとろみを付けた特製あんかけ海鮮丼を作りました。ひかりさん5杯もお代わりしましたよ!お母様も海鮮丼をお気に召したようでお代わりしてましたね。ヘルシーで美味しいのでは仕方ないのですよね。
お父様はミスレイン公国に良い土産が出来たと喜びました。
夜、甲板に出ると1面の星空に息を呑み時間が経つのを忘れて見てたのよ。灯りのない海で星空に照らされて幻想的な世界が広がっていたのです。
「………綺麗」
呟くように私は自然と声が出た。すると不意に後ろから声が聞こえた。
「シオン、余り長いこと甲板にいると風邪を引くわよ?」
ひかりさんがクマネコと一緒にやってきた。
「ひかりさん……うん、わかったよ。ありがとう」
「良いのよ♪クマネコを連れて来たのは毛布の代わりにね」
そういってクマネコは私の側で丸くなった。本当にありがとう!
「でも、シオンが時間を忘れるのもわかるわ。綺麗な夜空ね」
ひかりさんも、しばらく一緒に星空を楽しむのだった。
こうして船旅1日目は終了した。
愚者の声
「皆さん食い意地はってるなー」
シオン
「仕方ないのですよ。海の幸は美味しいのですもの♪」
愚者の声
「太るよ~」
シオン
「ひかりさん直伝の太らない技があるから大丈夫ですわ♪」
愚者の声
なんか負けた気分…………
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