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シオン、久しぶりの活躍です!(挿絵あり)

それからしばらくして、まず城塞都市に居た帝国軍200名が戻ってきた。その後ろには、帝国軍本隊も続いて城門をくぐった。


「生きて帰れたぞ!」

「光の精霊王様に感謝を!」

「ネクロマンサーが現れた時はびびったぜ!」


街に入ってくると兵士達は緊張感が抜けた様に、笑顔になっていた。それはそうだろう、今まで休む間もなく魔物と戦って、丘の上の陣地でも安心して休め無かったのだ。それが城塞都市には光の精霊王の張った結界があり、魔物がいない。即ち、安心して休む事が出来るのだから気が緩むのも仕方が無かった。


「街に入ったら先頭から奥の方に進め!後ろがつかえているからな!」


城門から表通りの広い道を総勢約2000名が次々と入ってきた。


「重傷者はこちらに運んでくれ!」

「誰か水を!」

「疲れた……」

「もう動けない」


人が多くなるほど、現場は混乱するもので……帝国軍全てが街に入った所で、様々な人達が忙しそうに行き交った。


「大将シャーマン殿!お久しぶりです!」


現在の城塞都市責任者であるイルベルトは本隊である帝国軍国境総大将シャーマンに挨拶をする。


「イルベルト!無事だったか!?良く我々が来るまで持たせてくれた!感謝する!」


お互いに無事だった事を喜ぶ。そしてすぐに本題に入った。


「大将シャーマン!すぐに高位官僚を兵舎に集めて下さい!敵が攻めてくる前に、これからの方針を話し合いましょう」


イルベルトの言葉に頷くと、シャーマンは側に居た者に伝令を頼む。すると、辺りが騒がしくなった。


「何事だ!?」


突然騒がしくなった原因を探るシャーマンとは対象的に、イルベルトはシャーマンに指差し伝える。


「シャーマン殿。皆が騒ぐのは仕方が無いですよ?なにせ光の精霊王様がいらっしゃるのですから!」


シャーマンも指の先を見ると、金髪の髪の長い女性が中央に佇んでいた。


「なっ!?光の精霊王様は女性だったのか!?」


【王】と付くので男性、もしくは理解出来ない姿の者だと思っていたシャーマンは驚いたのだ。


「これから光の精霊王様とその契約者が奇跡を起こしますよ……」


奇跡と言う言葉に首を捻るシャーマンに、向こう側に動きがあった。


「ひかりさん、私も【魔力】を使うからもう1度、回復魔法使える?」


「シオンが魔力を使ってくれるなら私は補助に廻るので大丈夫よ♪それより……わかっているわね?」


急に真顔になるひかりさんに、私は緊張する。だってー


「居残りしていた間に、炊き出しをしていたシオンの料理を、思う存分に食べても良いのね!?嘘付いたら針千本飲ますからね!」


シオンはコクコクと頷く

ぱぁ!!!


満面の笑みで喜ぶひかりさんに、シオンは冷や汗をかく


『約2000人分の料理を1人で食べないよね?』


シオンはいつも通り、バカな事を考えていたのだった。


「さぁ、やるわよ!シオン♪(シオン料理の為に!)」


何か別の言葉が聞こえたような気がするけど……気のせいよね?


シオンが魔力を高めて、最上位回復魔法を使う。


【エクストラ・オール・ハイヒール!】


優しい光が城塞都市全体を覆い尽くし、兵士や冒険者の傷が癒えていく。城塞都市の者達は2度目ではあったが、再度の奇跡に大いに歓声が響いた。


そして初めて奇跡を目の当たりにした帝国軍本隊の兵士は─


「光の精霊王様!感謝致します!」

「えっ?失った手足が戻った???」

「傷が癒えていく!?奇跡だ!」

「これだけの人数を1度にだと!?」


奇跡を体感した帝国軍兵士達もこれで本当に光の精霊王の存在を信じ、崇拝する事になる。


兵士の治療が終わると城塞都市の街の人々総出で兵士に料理を配る。足りない食器は街の人々が自宅から持ち出し使った。


久々のシオン考案料理はこれだ!


干し肉で出汁を取った野菜スープと、【ローピン】だ!

ローピンいうのは中華系のパイみたいな食べ物で、小麦粉、塩、胡麻油、ねぎがあれば作れるお手軽料理なんだ。

小麦粉を薄く伸ばして胡麻油を塗り、刻んだネギと塩をまぶしてくるくるとポスターを巻く様に棒状にして、更に渦巻き状にして軽く伸ばす。後はフライパンなどで両面を焼けば完成です。今回は出汁を取って柔らかくなった干し肉を刻んで一緒に混ぜてみたよ!


今回は、簡単に作れて大量に短時間で作れる料理を街の主婦の方々にレシピを教えて作って貰ったの。いつも通り大好評でした♪


ちなみに、ひかりさんやスイレン、子パンダ、リーネちゃん達は、城門近くの民間をお借りして食事をしています。何故なら、食事中の乙女モードのひかりさんを見せると威厳が下がるからです。まぁ、誰もガツガツと食事する精霊王なんて見たくないしね。


こうして短い間の休憩時間は過ぎていくのでした。


挿絵(By みてみん)


シオン

「・・・違う!」


愚者の声

「何が?活躍したじゃん!」


シオン

「活躍の仕方が違うのよ!」


愚者の声

「回復魔法でみんなを救ったでしょう?」


シオン

「最後は料理の方が誉められているのですけれど!?」


愚者の声

活躍は活躍ですよ?

(´∀`)


シオン

「ムカつきますわ!」

幻の左ーーー!!!


ほげらっ!ガック……

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