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無事に・・・

あの短い時間の間に、レインはひかりさんとスイレンに指示を出した。


「ひかりさんはフラッシュ・ライトを!」

「スイレン!その後に、水の人形を人数分作れ!」


たったこれだけである。二人は質問も何もせず指示に従った。そこには信頼関係があったからに他ならない。特にスイレンは仲間になって日が短いが、この短い間でシオンの兄であるレインも信用に置ける人物だと認識していた。


余談ではあるが、スイレンが旅の道中にはしゃけてやらかすたびに、シオンがこめかみグリグリの刑を発動し、それを助けてあげていたのがレインだったので、なついたと言っても良いかも知れない。


「よし!今度こそ全速力で撤退するぞ!スイレン!遅れるなよ!」


こうしてラミア達の攻撃を避けて、無事に城塞都市に戻る事が出来たのだった。入口付近には、冒険者達が多数待っており大きな爆発が目の前で起こった時は助けに飛び出そうとする者や、無事に戻って来るように神に祈る者など様々な人がいた。しかし、ひかりさんとシオンは契約で繋がっているため、ひかりさんが無事だとわかっていたので、冒険者達を引き留めていたのだ。


そして、他の魔物の襲撃に備えて城門前に冒険者を配置し、いつでも助けにいけるようにし、城壁上に設置された投石機もいつでも発射可能状態にしてあった。


『ちょっとレインの小僧を甘く見すぎていたのじゃ・・・幻影魔法とは。闇属性持ちとは珍しいのぅ♪遊びでは無く本気で欲しくなりそうじゃ!』


タクシャカは自分の油断を反省し、次なる手を打つことにした。


『さて、とっておきを出すとするかのぅ!クックック、まだ時間が掛かるが夜明け後には間に合うじゃろうて』


タクシャカは動けるラミア達に撤退の指示を出し、また闇夜に消えるのだった。


「はぁはぁ、何とか戻ってこれたな!」

「ふぅ~、敵を殲滅する為に出ていったのに!救出されるなんて!不甲斐ない!?」

「生きて帰れたな。良く頑張ったな!ジーク!」

「お父さんが無事で良かった・・でも、僕は何も出来なかった!くそっ!もっと力があれば!」


戻ってきた皆は、安心感と不安で各々が苛立っていた。そこにシオンが労いの言葉を掛ける。


「みんな!お帰りなさい!」


シオンはみんなの気持ちを汲んで、笑顔で出迎えたのだ。そんなシオンを見た連中は─


「ただいま戻りました!シオンお嬢様!」

「無事に戻りましたよお嬢!」

「シオン様に出迎えられると恐縮ですな」

「シオンさん、ただいまです」


みんながシオンの言葉に救われたのだった。


『何を落ち込んでいるのよ!エミリア!シオンお嬢様の笑顔があればまだまだ戦えるわ!』

『生きて帰れる事がこんなに嬉しいなんてな。本当に死ねないじゃないか』

『僕には力がない。せめてレイン君の様に知恵を搾ってやれる事をやろう!』

『この笑顔を護る為にもうひと頑張りするかのう』


シオンからタオルを渡され、汚れや汗を拭きながら荒ぶった心が落ち着いていくのがわかった。そこに嬉しい伝令が届いた。


「皆さん!朗報です!丘の上の帝国軍が魔物を蹴散らしもうすぐここに到着します!」


帝国軍は城塞都市から援軍に向かった軍と合流し、移動しながら情報確認をおこなっていた。


「では、光の精霊王様が本当に降臨されて城塞都市を護って下さっているのか!?」


「はっ!城門に魔物のみ通れない結界を張って下さり、怪我をした我々の治療をしてくださりました!しかも欠損した手足も復元する最上位の回復魔法でした。そして、光の精霊王様の契約者であるフィリアス公爵家令嬢であるシオンお嬢様が、我々数百人に支援魔法を掛けて下さり、従来の3倍以上の力で戦えました!」


城塞都市の帝国軍が、少数ではあるが2000人近い援軍よりも強く、戦局を変えたのは誰の目を見ても明らかであった。


「なんとしても城塞都市に行き、詳しい話を聞かなければならないな!」


大将シャーマンは散っていった魔物は追わずに、城塞都市に向かい戦力の合流を急いだのだ。


『しかし、生身の人間が数百人に1度に魔法を掛けれるものなのか?それくらい出来るからこその契約者なのか?』


シャーマンは光の精霊王の契約者の方に興味があるのだった。




愚者の声

「これで振り出しかー」


シオン

「そうね。1度、態勢を整えるべきね!」


愚者の声

「敵さんも奥の手を出す見たいだし、最終決戦が近いね!」


シオン

「ねぇ~まだかしら?私の出番は!?」


愚者の声

Σ(´д`ノ)ノ゛もう少しお待ちを!




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