レインの秘められた力と・・意外な人物が?
恋&謎解き学園ショートストーリーコンテストに応募しました。
興味のある方はそちらもお願い致します。
タイトル
【女の子は恋をして美しくなるもの】
オーガキングとオークロードの同士討ちはレインの魔法であった。自らの魔力を解放した時の突風は目眩ましであり、その時に得意の幻術魔法を掛けたのだ。しかも小石を投げて、実際に掛かっているのかも確認していた。レインが前に出てからの行動は、全て計算されたものだったのだ。
そこまで緻密に計算された行動が出来るレインも、またシオンに劣らず異質と言わざるおえないだろう。
「マジかよ・・・」
「我々があれほど苦戦していた魔物が一瞬で・・」
フィリアス騎士団はフィリアス公爵家に忠誠を誓っており、その忠誠心は王国近衛騎士団以上と言える。しかし、シオンの規格外な行動に目を奪われ勝ちだが、レイン次期当主の認識は神童、もしくは天才というのが周りの認識であった。冷静沈着で学術、武術はすでに、専門家以上であり上位魔法も使いこなす事が出来る。
これだけ述べれば十分凄いのであるが、どうしても目立った実績が無く、言葉を言い換えれば【影が薄い】感じなのだ。器用貧乏と言っても良いかも知れない。
武術では並みの者より強いが、騎士団長には敵わない。魔法もシオンやひかりさんには及ばない。しかし、レインは諦め無かった。普通なら挫折してもおかしくない環境でも、大切な家族を護る為に・・妹のシオンを護る為に必死に考えて訓練していた。そして、自分に出来る事を見付けたのだ。
元特殊部隊長のマチスもやっていた、視覚の隙を付く戦法を!
相手の意識を間違った方向へ誘導する【ミスディレクション】の技術を手に入れたのだ。
これは権謀術数の貴族社会でも凄く役立つ技術でもある。
何はともあれ、正面の敵はタクシャカのみとなった。
「リーゼン!エミリア!左右に別れてサクラ、シールの援護を!」
!?
茫然と、事実を受け入れられない状況に、漸く我に返る。
「えっ、はい!」
「お、おう!」
戸惑いながらも長年の培った戦いの勘で、条件反射で行動する。
「さて、タクシャカ!覚悟は良いか?」
殺気を放ちながら問い掛ける。
「ふ、ふふふ・・良い!良いぞ!?小僧よ・・レインと呼ばれていたのぅ?是非、妾のものにしたくなったぞぇ!」
タクシャカの魔力が高まり、火属性の魔法が襲ってきた!
「我が名の元に発現せよ!目の前の敵を灰塵とかせ!ブラスト・ボム!」
ファイヤーボールより大きい、2メートルはある炎の球体が5つ現れ、レインに向かっていく。
「安心せよ!黒焦げになったとしても、美味しく頂いてやるのでのぅ!」
タクシャカは愉快に笑いながらレインを見る。
「俺の名前を忘れたか?我が前に現れ、攻撃を防ぐ楯となれ!アクアウォール!」
レインの前に水の壁が現れる。その水の壁に炎の球体がぶつかり、ジューっと水蒸気が発生する。
「なかなかやるではないか?水属性の魔法が得意なのかのぅ?しかし、その程度の防御魔法では全ての炎の球体を防ぐ事は出来んぞぇ?」
次々にぶつかる炎の球体に、水の壁はどんどん薄くなり、激しい水蒸気となって辺りに散らばる。
「レイン君!大丈夫!?私も力を貸すから頑張って!」
ひかりさんが水の壁に魔力を送り、持ち直していく。
「ぐっ・・・ひかりさん!?」
水の壁の維持に全神経を集中しているレインに余裕は無かった。相手の魔力が大き過ぎるのだ。そして、レインもまだ8歳なのだ。ここまで対抗出来れば十分と言えよう。
「良く持ったがここまでじゃ!トドメといこうかのぅ!」
タクシャカが、魔力を強めようとしたとき予想外な事が起きた。
「貰ったのじゃ!目の前の敵を吹き飛ばす激流を!ハイドロ・ブラストーーーー!!!!」
「なーーー!!!!?」
タクシャカに、大きな鉄砲水が襲い掛かり真横からまともに受けたタクシャカは成す術もなく、一緒に吹き飛ばされた。
レインは水蒸気がでることも計算して、スイレンに幻術魔法を掛けて見えなくし、タクシャカの側面に周り込ませたのだった。
「わはははは!妾の勝ちじゃな!妾と同じ口調だとキャラが被るので退場するのじゃ!」
シオンと同じで、すぐに調子に乗るスイレンではあるが、まがいなりにも水の精霊王の娘である上位精霊に違い無いのだ。
そしてレイン達はタクシャカの状態を確認するのだった。
愚者の声
「ミスディレクションって言葉がカッコいいね!」
ちなみに愚者の声は黒子のバスケが大好きです!
シオン
「お兄様があんなに強いなんて・・・」
愚者の声
「いつも誰かさんの尻拭いしてたら強くもなるよねー?」
シオン
「何ですって!・・・あれ?いない!?」
愚者の声
『ミスディレクションすげーーー!』
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