お兄様の隠された力!
大変お待たせしました。
また頑張って更新していきます!
シールは左右に飛び出した事を少し後悔した。
無論、自分が飛び出さなければ後方を塞がれて退路を断たれていた。しかもミノタウロスリーダーは自分で無ければ止められ無かっただろう。ただそのせいで正面が、がら空きである。レイン、ジーク、ひかりさんが撤退してくれれば問題無いのであるが・・・なんとか、エミリアとリーゼン、アルフの3人で壁役をやって貰うしか無いのだ。
「まずは小手調べじゃ!行けぃ!!!」
オーガキング、オークロードが向かってきた。左右にいるミノタウロスリーダー、ハイリザードマンも攻撃を開始した。
「レイン様はさがってください!はぁぁぁ!!!」
「きやがれ!!!」
エミリアとリーゼン、アルフは3人で飛び出す。オーガキングは持っている棍棒で殴り掛かる。左右に別れて飛んで避けるが、棍棒で叩かれた地面が割れた!
「オイオイオイ!!!あんなの受け止められないぜ!」
「だったら、攻撃される前に倒せばいい!いくぞ!」
リーゼンとアルフはコンビネーションでオーガキングに斬りかかる。エミリアはオークロードと戦う!
ガギンッ!ガギンッ!
ガガッギーン!
オーガキングは、鉄で出来た棍棒を軽々と振り回しリーゼンとアルフの攻撃を受け止める。しかし、2人の連携攻撃に片方を防いでも、もう1人の攻撃を防ぎきれず生傷を作っていく。ただオーガキングもやられているばかりではなかった。攻撃を防いだ棍棒をそのままフルスイングの要領で、吹き飛ばした。
「うおっ!がっーーーーー!」
優に、20メールは吹き飛ばされ地面に叩き付けられる。せめてもの救いは木にぶつからなかった事と、レイン達を巻き込ま無かった事だろう。
「お父さん!」
「アルフさん!すぐに治療を!」
アルフに駆け寄り、容態を見るが・・手でひかりさんを断り大丈夫だという。
「ぐっ!?だ、大丈夫です!はぁはぁ、ダメージは吹き飛ばされた衝撃だけだ。魔力を温存して下さい」
アルフはこの後のナーガ戦を考え、ひかりさんの魔力を温存するべきだと考えていた。そう、ナーガの目的はひかりさんに魔力を使わせる事なのだと、その場にいたみんなも理解した。
「そういう事か・・」
レインは呟くとエミリアとリーゼンの戦闘を見つめた。
「オーガキングってのはここまで強いのかよ!?」
「たかだか、豚の分際で!きゃっ!」
龍の素材の鎧と武器を装備して、しかも最上位支援魔法も掛かっているのに苦戦していた。各種族の上位個体ではあるが、ここまで強いのはおかしいのだ。
「みんな!気を付けろ!こいつらも支援魔法で強化されているぞ!」
敵の強さに気付いたレインが叫ぶ!
「何!?」
「魔物が・・そんなことが!?」
「だったらこのデタラメな【力】は説明がいくな!」
ナーガのタクシャカは魔物が強化されている事を見破ったレインを見据える。
「ほぅ・・・良く見破ったのぅ?なかなかに優秀な小僧よ!どれこの後に妾が味見をしてやろうかのぅ♪」
タクシャカは妖艶に舌を舐める。
隣にいたジークなどは酷い悪寒が走った。
「大変嬉しい提案なのですが、申し訳ありません。自分の初めての相手は自分で決めますので」
レインは平然とした様子で、嫌みを言い返す。それを見たナーガはますます興味を持つのだった。そしてー
「リーゼン、エミリア!1度引け!」
レインの言葉に2人は素直に従い、レインの側まで後退した。
「ここからどうしますか?」
「申し訳ありません。攻めきれずに・・」
「ここからは私が殺るよ」
「「えっ?」」
2人の声がハモった。2人の意見を聞くこともなく、レインの魔力がどんどん高まっていき、一気に解放した。
辺りに、レインを中心に突風が吹き荒れた。突風はすぐに収まったが、レインの魔力は視覚化出来るほど高密度になり、身体から陽炎のように魔力が漏れていた。
「なんとのぅ!?あの年齢でこれ程の魔力を!人間の上級魔術師並みではないか!」
魔物の中で、タクシャカだけレインの異様さに気付いた。
レインは前に出て、オーガキングに小石を投げ、掛かってこいと手招きする。
オーガキングとオークロードは触発され、レインに襲いかかる!
「レイン様!?」
「ちょっ!まっ、間に合わない!」
慌ててレインを護ろうとするが、前に出たレインに間に合わない!誰もが目を閉じた瞬間、信じられない事が起こった。
なんと、オーガキングがオークロードを攻撃して棍棒で叩き潰したのだ。オークロードもオーガキングに攻撃を加え、剣を腹から背中へ突き刺していた。流石のタクシャカも何が起こったのか理解出来なかった。オークロードは即死だったが、オーガキングはまだ動こうとした。しかし、レインの風魔法で首を落とされ絶命した。
「果てるがいい!【風刃斬】!」
地面にオーガキングの首が落ちる。ナーガのタクシャカだけではなく、味方である全ての者が理解出来なかった。何がどうなったかを・・・
そしてレインはタクシャカに向かって言う
「【狡猾なタクシャカ】だったか?余り俺達を舐めるなよ!そう簡単に、ひかりさんの相手をして貰えると思うな!」
言葉遣いが変わり、少年からとは思えない程の殺気が放たれたのだった。
シオン
ガタガタ、ブルブル!
!?
愚者の声
「シオンが怯えているだと!?」
シオン
「・・・あんなの私のお兄様ではありませんわ!」
愚者の声
「ほぇ~レイン君、カッコいいなぁ~」
シオン
「そうなんです!格好良すぎですの!?あんな姿を見たら、お兄様ファンクラブが増えてしまいますわ!」
愚者の声
ファンクラブがあるの!?