0話.夢の続きを、もう少し。
こんばんは、雨砂糖です。
「初めまして」な方も「お久しぶりです」な方もこの作品を見にきてくださった皆様に、少しでも幸せが訪れます様に。
今回は予告になります。少しでも興味を持っていただければ幸いです。
それでは。
「○○○。僕の子供はどんな子なのかなぁ」
「もう少しで産まれるんだろ?それまで待てばいいじゃん」
「もう少しったって…、あぁそうか。君と僕らの時間の感覚は違うのか」
「はは、そうでもないと思うけど」
「へぇ…絶対嘘だ……。ぁ、」
「どうしたんだ、京也」
「爆蘭だよ。綺麗だなと思って」
「爆蘭ね…、本当に人間って名前つけるのが好きだよな…」
「なんだい○○○、僕の考えた名前はお気に召さなかった…?」
「いや、別に。……娘にはどんな名前をつけるんだ?」
「娘なんだ…!って、君だけ知ってるのずるくないかい?」
「ぅ、うるさいな。で?どうすんだよ」
「そうだなー…鈴とも相談するけど……やっぱり……………」
ざぁっ。と強く風が吹いて、彼の体は風にさらわれてしまう。もうちょっと、もう少しだけ。と伸ばした手に彼は触れる事はなく、彼は、俺の意識は霧散していった。
霞ゆく世界の中思うのは1つ、この世界に『優しさ』なんてものを求めるのは間違ってる。って事だった。
俺は1つ瞬きをして、目の前で眠る少女を見、窓ガラスに映る自分の、ボールのように丸まっている黒猫の姿を見、再び微睡んだ。