幸福の伝道者
今日は、みんな何食べてるのかな。
もっと、美味しいものを食べなきゃいけないのかな。
成功してる人は、どんなふうに遊んでるんだろう。
もっともっと、自分も贅沢できるようにならなくちゃ。
ささやかなことを大きく喜べるほど、豊かな人のような気がするけど、何かをいっぱい持ってる方が、きっと昔から偉いんだね。
『キレイになって』、『偉くなって』…鳥だって、虫だって、そんなことを毎日がんばって進化してる。
でも、人はどうなんだろう。
自然から離れちゃう生き方が増えたぶん、ほかの生物より深呼吸したり、笑っててもいいんじゃないかな。
ほんの少しのことで喜べる人は、優しい。
優れている人は、ほんのささいな仕事を見つけて、褒めてくれる。
冴えない姿の医者が、だれかの命や人生を救うことがあるように、きっと、見た目で何もかもを決めるのは、楽に切り捨てたい人たちなんじゃないのかな。
だから、本当はもっと、喜んでいいことに手を上げようよ。
欲の求め合いの道で負けたのなら、やがて最後に残った一人が傲慢になりやすい文化の競争を、変えるチャンスだと気付こう。
あなたがいま持っているものは、ささやかなものかもしれない。
でも、それは誰かにとって、いつか大きな豊かさにつながっていくかもしれないんだ。
幸福の伝道者は、どんな時だっていつも、小さな道のりからやって来たのだから。