彼女達との出逢いが運命のハズがない!
夕暮れの教室に俺は佇んでいた、だけど俺一人では無い、そこには何故か、今日転校してきた俺を罵倒した明日香のやつまでもが一緒に佇んでいた。
(大和)
何をしている?
(明日香)
夕焼けを眺めている、キレイだな!
俺の問いかけに、明日香は平然とそんな事を答えた。
(大和)
違うだろっ、何故、お前がここに居ると聞いているんだ!
(明日香)
ふむ、そんな事か、なに、一緒に帰ろうかと思ってな、待っていたのだ!
(大和)
ふえ?
俺の間抜けな声が教室に響く。
(大和)
今、何て言った?
(明日香)
なに、一緒に帰ろうかと思ってな!
(大和)
同じ言葉を繰り返してんじゃねぇ!
俺はこの明日香という女の子が全くと言っていい程、分からなかった。
(明日香)
ふむ、納得していない顔だな!
(大和)
まぁな!
俺の答えに明日香が答える。
(明日香)
先程も言ったと思うが、大和、お前を私の遊び相手に決めた、つまりは私の下僕にすると言う事だ!
(大和)
----------意味が分からん!って言うか下僕って何だよ!
(明日香)
言葉通りの意味だ、何度も言わせるな、日が暮れる、帰るぞ、下僕!
(大和)
だから、下僕って呼ぶなぁぁぁぁぁ!
俺は既に疲れていた、本当に何なんだ、この明日香という女は!こうして俺は明日香と一緒に帰る羽目になってしまった。
(明日香)
ん?何を怒っている、大和!
(大和)
別に!
当たり前だ、怒りたくもなるさ。
(明日香)
まぁそんなに怒るな、この私と一緒に帰れているのだ、喜ばしい事ではないか、ん?大和よ!
(大和)
嬉しくねぇ、俺はな、だいたい何だよ、その口調は?もっと普通に話せないのか?
そんな俺の言葉に明日香は------------。
(明日香)
--------普通にか、ふむ、お前が嫌だと言うのなら変えてもいいが、ん?
(大和)
ん?じゃねぇよ!俺に聞くな!
(明日香)
大和くんは、私の事が嫌いなの?
すると、明日香は物凄く、可愛い過ぎるくらいの声色で俺にそう聞いてきた。
(大和)
うっ!
不覚にもドキッとする俺だった。
(明日香)
ほう、照れているな、私の魅力に大和はメロメロみたいだな!
そう言う、明日香の顔は何だかとても、嬉しそうだった。
(大和)
誰がメロメロだ!俺が好きなのは、我が愛しの姫、井上麻里奈だ!
(明日香)
誰だ、その井上麻里奈と言う女は!
(大和)
超人気の声優さんだよ、知らないのか?
(明日香)
知らん、興味もない!
(大和)
あっそ!
何でこんな事を俺は明日香に言っているんだ?
分かる筈もないのに!
(明日香)
大和は、その井上麻里奈とか言う女がそんなに好きなのか?
(大和)
まぁな、辛い時とか、姫の声を聞くと元気になるし、姫の全てが俺は大好きなんだ!
(明日香)
ふ~ん!
ふ~んとそれっきり、明日香は黙り、何も話さなくなった。
(大和)
あっ、俺はこっちだから!
(明日香)
そうか、じゃ、気を付けて帰れよ、大和!
(大和)
それは、俺のセリフだ!じゃあな!
(明日香)
ああ、またな!
俺は明日香と別れると自分の家へと帰って行った、この時の俺には、明日香がどんな気持ちで居たかなんて知るよしも無かった。
(大和)
ただいま~!
俺は無事に?家へと帰り着き、玄関のドアを開けた。
(大和)
疲れた、何て1日だったんだよ、まったく!
俺はそう呟きながら、ソファーに腰を下ろした。
(大和)
ハラ減ったな、何かあったっけ?
俺はそう思い、冷蔵庫の中を確認した、しかし冷蔵庫の中には驚く程、何も入って無かった。
(大和)
仕方ない、この際だ、買い物行ってくるか!
俺は財布を手に持つと、早速買い物へと行く為この間、出来たばかりの、大型スーパーへと向かう事にした。
(大和)
かぁ~、でけぇ~!
まぁ感想なんて、こんなもんだ(笑)
(大和)
さてと、まずは何を買おうかな?
俺は冷蔵庫に入れる為の食材と今日の夕飯の材料を選び始めた、自慢じゃないが、俺は料理が大得意だ。(自慢になってるよ!)
(大和)
ん?気のせいか、どうしよっかな~、カレーにするか?それとも、さっぱり物がいいかな~!
俺は、そんな事を考えて歩いていた為、目の前に居た、人影に気付かなかった。
(女の子)
きゃっ!
(大和)
ん?あっ、悪い、大丈夫か?怪我はない?ごめんな、考え事をしていたから!
すると、俺がぶつかった女の子は------!
(女の子)
大丈夫です、私もボーッとしていたから、気付かなくてこちらそこ、ごめんなさい!
そう言う彼女は笑顔で俺に答えたんだ、その時俺は何故だか、胸が高鳴ったのを覚えていた。
(大和)
-------あ、ああ!
(女の子)
ん?あの~
(大和)
うぇ?あ、何?
(女の子)
ふふ、どうしたんですか?ボーッとして、また考え事ですか?
健気に笑う、そんな彼女。
(大和)
ち、違うって、もう大丈夫そうだな、俺は買い物の途中だから!
(女の子)
うぁ~、凄い量の食材ですね、一人で食べるんですか?
(大和)
んな訳ねぇだろ、今、一人暮らししてんだ、だから、冷蔵庫に入れる分の食材も一緒に買っとこうと思って来たんだ!
(女の子)
あっ、なるほど、ですよね、一人でなんて食べきれませんよね、あは!
本当に無邪気に笑う彼女だった、その時何故だか、明日香の顔が浮かんだ、あいつも、これくらい、可愛いげがあると良いんだが。
(大和)
んで、君は?家の手伝いか何か?
(女の子)
はい、今日は私がお買い物当番なんです!
(大和)
へぇ~、当番制なんだ、珍しいね!
(女の子)
大抵はお母さんが買ってくるんですけど、今日は忘れたらしくて、だから、私が買いに来たんです!
(大和)
ふ~ん
(女の子)
あ、すみません、こんな話をしてしまって!
俺の反応が悪かったのか、彼女が、心配そうに聞いてきた。
(大和)
んぇ?あ、君の所為じゃないよ、ただ、仲の良い家族だなぁ~ってね!
(女の子)
ん?
(大和)
気にしないで、何でもない、所で君は、名前まだ聞いて無かったよな?俺は大和、深可瀬大和だ!
(女の子)
大和さん?私は双葉茜って言います、高校2年生です!
(大和)
え?マジで、俺も同じ2年生だよ、俺達、タメみたいだな。
(茜)
そうだったんですか?ビックリです、大人びてて、てっきり年上の人なのかなって!
そんな言葉に俺は---------!
(大和)
それって、俺が老けてるって言いたいのか、ん~?
(茜)
ち、違うよ、老けてなんていないよ、本当だよ、ただ、落ち着いているから、普通の高校生よりも大人っぽいのは確かだなって思ったから!
(大和)
ん、そっか、まぁありがと、子供っぽいって言われるよりはマシだな!
(茜)
うん、大和くんはカッコいいよ!
(大和)
ばっ、バカやろう!恥ずい事をさらっと言ってんじゃねぇよ!
俺は多分この時、顔が赤くなっていたと思う、そんなこんなで、茜と親しくなった俺は買い物を済ませ、帰る事にした。
(大和)
じゃあ、帰るわ!
(茜)
うん、同年代の男の子とこんなに話したのは初めてだったから、緊張もしたけど、とても楽しかった。
(大和)
もしかして女子校?それとも男嫌いとか?
(茜)
ううん、共学だよ、あっ男の子が苦手って言うのはあるかもだけど!
茜の言葉に俺は---------!
(大和)
ふ~ん、モテそうなのに、お前さ、めちゃくちゃ可愛いんだからもっと積極的になったら?
(茜)
----------ん!
茜の顔が、ゆでダコよりも赤く染まる、照れているのか、それとも恥ずかしいのか、茜が顔を上げる。
(茜)
か、可愛いなんて言われたの、大和くんが初めてだったから!
(大和)
え?
キョトンとする俺--------!
(大和)
あ~そうなんだ、まぁ事実だし、俺は思った事は素直に口にするタイプなんだ!
(茜)
うん!ありがとう、とても嬉しかったよ、大和くんも、とてもカッコよくて素敵だよ?
(大和)
ありがとっ!
茜の頭をクシャクシャに撫でる。
(茜)
痛いよ~大和くん!
(大和)
はは、じゃあ、帰るわ!
(茜)
うん、また会えるかな?
(大和)
さぁな、どうだろ?でも、俺も、もう一度、茜に会いたい!
(茜)
-------------ドキッ!
茜の胸は、張り裂けそうな程に、熱く高鳴っていた。
(茜)
う、うん!
(大和)
じゃあな!
(茜)
さよなら!大和くん!
(大和)
ああ!
こうして、俺と茜は互いに別れ、それぞれの家へと帰って行った、俺は茜と偶然の出会い、ただそれだけだと思っていたんだ、まさか、すぐにまた茜と再会する事になるなんて、この時の俺には、何も分からなかった、茜の登場で俺達の関係が、さらに複雑になっていく事も。
(大和)
茜か、お淑やって言うか、大和撫子っぽいと言うか、明日香とは、まるで別人の様な女の子だったな、そう言えば、明日香は何してんだろ?
(明日香)
ふ~ん、ほうほう、なるほどな!コイツが大和の好きな井上麻里奈とか言う女か、確かにキレイだな、声も美しい感じの声だ、そうか、大和はこう言う感じの声が好きなのか、うん?この声、何処と無く、私の声に似ている様な、ふふ
、ふふふふ、大和の奴め、見ていろ!この女の声を完璧にコピーしてやる!待っていろ!大和ぉぉぉぉぉぉぉ!
(大和)
うゎ!何だ?今、背中に寒気が!?気のせいか
、帰ろ!
そんな明日香の決意を知らない普段通りの俺だった、しかし、俺は思っていた、転校してからと言うものの、次々と女の子出会い、知り合いになっていくなと、俺の中で確かに何かが、変わり始めている、そんな確信が胸の中に広がっていた、だけど、俺は思う、彼女達との出会いが運命のハズがない!と。
(大和)
先行き不安だよ、まったく!
まだまだ、俺の不安な日々は続いて行くみたいだ。