Prologue
プロローグなので、意味のわからないところがあるかもです。
あと、この小説を読んで悪くはないな、と思ってくれた方、キリトlv100のページも見ていただければ幸いです。
それでは。
2021年、日本。
全てが利便化され、理想が現実になった世界はなにか、大切な物を代償にした気がする。
それは自然でも、伝統的な文化でもなく。
もっとちっぽけな、ものを。
でもそのちっぽけなものが思い出せない。
何故だろう。何故――
「それじゃ、行ってくる。」
俺は、現在高1。
成績も運動も中ぐらいで、特徴のない寂しい人だ。
「よっ。
朝から寝ぼけてるんじゃ、学校で大変だよっ!」
なんて言ってくれる彼女は当然いるわけもなく、1人寂しく自転車をこいで、学校へ向かう。
耳にヘッドホンをつけ、赤信号を無視して走る俺を、非難の目で見るおじさんやおばさんたち。
そんな景色を眺めているうちに、学校についた。
教室に入ると、先に学校に来ていた級友に、あいさつをされる。
それを返して、いつも通り教卓の目の前の席に座って本を読み、退屈な授業を受けて家に帰る。
友達との会話がほとんどない……。
そんなことは、自分でも分かっている。
確かに、他の人から見たら、寂しく見えるかもしれない。
個人面談でも、担任の先生にいつも友達を作りなさい、って言われる。
俺は別に、1人でいることが大好きな人じゃない。
ただ、
面倒くさい。
それだけだ。
人と関わるためには、仲良くなるためには、他人にあわせなければいけない。
そんなこともないって?
確かにそうかもしれない。
みんな優しくて、楽しいかもしれない。
だけど・・・・・・。
それは、ほんの一握りの奴らだけなんだ。
家についてからは、読書をしたり、ゲームをしたり。
そんなありふれたことをやりながら、俺は眠りにつく。
だから。
俺は、非日常を求めていた。
そして俺は非日常を願い、不思議にもその願いはかなった。
いや、かなってしまったと言うべきか。
なんでそう言うのかって?
そりゃ、今の俺が、普通の、昔の生活に戻って欲しい――そう思うからだ。
――1時間前
「あの空飛んでる飛行機みたいなやつ、なにかな?」
私は、友達にそう聞きながら、集中してそれを見た。
おかしい。飛行機なら5機も横に並んで飛ばないはずだ。
「んー?そんなの見えないよ。詠架ちゃん、大丈夫?」
「いや、あそこらへんに……あれ?見間違いかなぁ。」
「詠架ちゃん。確かに最近は少し物騒だけどねー。学年主席に、UFOがいた!みたいな事言われたら、反応に困るよー。」
「見間違い……なんだろうね。ごめんね、心配かけちゃって。」
「全然大丈夫だよ!それより、早く学校に行こう!」
親友に心配をかけないように、笑って少し歩くスピードを速める。
私が動揺している事を、悟らせないように。
ついに、きてしまったのか……。
――同じく1時間前の別の場所
「あれは……」
俺は学校に向かって歩いていた。その時、数秒見えたものがあった。
「なぁ、今空に5機位何か飛んでなかった?」
その問いには誰も反応しない。通学路で言った一言だから、誰も気にとめないのは当然と言えば当然なのだが、それにしても
「誰も、見てないのか?」
妙に反応が薄すぎる。通学途中の学生がたくさんいるのだから、空を見上げたり思案顔になっている奴が1人くらいいても良いのではないか。
「俺の幻覚、か。」
そう判断して、学校に向かった。
彼はまだ知らない。
同じ時間に、同じようなものを見た少女がいる事を。
to be continued
初めまして。またはお久しぶりです。
キリトlv100です。
実は、この小説にはある思い入れがあるんです。
それは、……次回のあとがきに。
最後に、友達と読んでくれた全ての方に感謝をこめて。
ありがとう。次回も宜しくおねがいします。