プロローグ 恐らく六百九十二回目の雑談
しばらく前に書いた小説を書き上げるに当たっての掲載です!
投稿の際、全文の推敲+書き直しを行っていきますです。少し世界観や設定に難有りな作品ではありますが、それを補って余りあるだけの魅力を作れたらいいな! と考えていたり、脳天気な作者なりにちょっと頑張ってみます!
※プロローグ部分はセリフのみです。
また、今作は本連載であるアプローチと並行しながらの執筆になるため、超不定期の更新になると思われます。一日置きもあれば、週単位、下手をすれば隔月の更新となる可能性も大いに有り得ます。ご了承の程を願いたいです。また、完結目標は某賞の締切りに合わせ、どれだけ長くなっても2011年4月以内となっています!
「――別に、私は、死ねだなんて!」
「面倒なことだな。だって、俺は魔王でお前は勇者。互いに死ねと思うことは本能だろう。何かおかしいか? 少なくとも俺はお前に死ねとは思うし、逆もまた然りだろう」
「違います!」
「それなら何故この千年、何度も俺を訪ねては剣の切先を向けてきた」
「それは……! 貴方を倒さないと、貴方が世界を滅ぼしてしまいそうな気がするから……」
「そう。ほら、それが勇者の本能だ。全くどうでもいい、そんなんで命を狙われる身にもなれ」
「ど、どうでもよくないですから! ふざけないでください! 最悪です!」
「静まれ怒るなそして死ね。俺とお前には対極レベルで価値観の相違があるということだ。結局、俺たちの間にあるものは宿命だから、仕方がないんだろう」
「……その、宿命だから仕方ないってのは、一体……何故、仕方ないんですか?」
「宿命だからだ」
「……それも宿命、ですか」
「悲しそうだな。俺はそうでもない。どうでもいい話だろう? ……ところで俺達は三十年ぶりの再会なわけだが。おい、ここまでの旅長かっただろう? ……土産は?」
「あ、ありませんよ! 決着はつけないんですか?」
「つけん。物品でなく土産話でも可だ。数十年、俺は長く独りだったんだぞ? だから話せ」
「無理ですよ!」
「使えん勇者だな」
「失礼です!」
「ほら、早く話せ愚図勇者」
*
「――というわけで、ですね。彼の助けもあって、私は危機を脱したわけです」
「ノリノリだなお前。物凄い笑顔だぞ、可愛らしい」
「最初に話せって言ったの誰ですか!」
「フッ」
「鼻で笑わないでください!」
「まぁ、なかなか面白かった。ありがとうと礼だけは言ってみるさ。お前は良い友人だ」
「……言葉に心がこもってませんね」
「俺に心のこもった言葉が言えるとでも?」
「それは、なんとも言えませんけど」
「だろう? もういい。じゃあ、そろそろ決着の時だ。頃合いも名残無さもちょうどいい」
「いきなりですね……わ、分かりました。でもちょっと聞いてください」
「やだ」
「魔王が子供っぽいこと言わないでください! 聞いてくださいよ! その……戦う運命は悲しいけど、やっぱり、私は貴方の悪事を許すことはできません。でも……でもですね! 貴方が悪事をやめるなら、私も――」
「無理だ。キッパリだ。無理に決まってる。ほら、今日こそ死んでもらうぞ勇者よ」
「……了解です……やるからには、やります。私は魔王を討ち滅ぼさなくちゃならないんです」
「だろう? やはり、逆も然りだな」
「そんな言葉、私は聞きません。準備は、できましたか?」
「いつでも来い」
「……はい!」
初稿を書いたのは天使よりも前……さすがに今プロットを見返すと、ほころびや穴が大きく見当たります。これらの点をどれだけ埋めていけるかが勝負になりそうです。