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重たい、それが人が離れてった原因だった。
束縛が苦しい、振られた理由だった。
昔から愛し方が不器用で、大切にって思えば思うほど人がいなくなっていった。
そんな他人が理解できなくて苦しくて、じゃあもう全部どうでもいいと思うようになってしまった。
ゲームをしている時や人しゃべっている時はマシで、一人になった瞬間どうしようもない孤独感に襲われる。でも、他人に依存すると怖がられて嫌がられて、いなくなってしまう。誰にも頼れないことが辛かった。
眠る前など特に最悪で、一瞬でも独りを感じたら寒くて眠れない。だから、動画サイトのプレイリストを適当に流して少しでも気持ちを紛らわせた。
そんなときに、たまたま聞いたのがKちゃんの歌ってみただった。
最初は、声が好きだなと思った。
それで、彼女の歌ってみたプレイリストをつけて眠った。
作業中の音楽として流すようになった。
彼女の歌声を高品質のイヤホンで聞いた。
「なんとなく」がすこしずつ重なって、おれは彼女のファンになった。
SNSで彼女をフォローと通知をオンにして、毎日彼女の動向をチェックした。
彼女は歌のことしか話さない。日常を見せない。
それがもどかしくて、でもだからこそ安心して依存していった。
彼女にとって音楽がすべてで、ファンなんてものはその付属品に過ぎない。
俺と彼女の間には圧倒的な壁があった。
俺は彼女に触れられない。
彼女も俺に関心を向けない。
それが俺たちの関係だった。
それを壊したのは自分だった。
KちゃんがFPSをやってるって呟いて、思わずコメントをつけた。
認知されるなら、今がチャンスだって思った。
それは、押し殺していた俺の本心だった。
Kちゃんとその友達のるりにコーチングして、たくさん褒めて、なんとか自分をよく見せようと頑張った。良い子のふりをした。
でも、それはるりに見破られた。
「きらわないで」
そう言った自分に、Kちゃんは優しく声をかけてくれた。
手を差し伸べてくれた。
首の皮一枚つながった。
と、思ったらKちゃんとるりと三人でよくしゃべるようになって、ぬるま湯のような温かくて心地よい時間が与えられた。
でも、それも長くは続かなかった。
Kちゃんが配信を始めたからだ。
裏切られた気分だった。
三人でいるのが楽しいって思ってたのは自分だけだったのか。
この閉じた世界に満足しているのは自分だけなのか。
だったら、外堀を埋めてやろうと思って、事務所に連絡して「ファンタジア」にるりとKちゃんを参加させた。
配信上で三人で仲良くしていたらまた前みたいに、仲良しに戻れるはず。いやもっと深く俺らは繋がれるはずだと信じた。オルカはおまけ。
でも、Kちゃんは出ていった。
鳥籠にしまっていた小鳥が逃げ出すように、空へ、自由へ、羽ばたいていってしまった。




