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それからボスは、私を大型犯罪にも関わらせて、兎月くんに連絡するのを止めた。

「アストロノート」のみんなと犯罪をやるのは楽しい。

いつも騒がしくて、暖かい場所。わたしの家。


ボスの言った言葉がぐるぐると頭を駆け巡る。


「わたしの価値は私が決める……」


わたしは、今まで声しか取り柄がないと思ってた。

それすら失った今、私にはなにもないと思っている。

それのなにがいけないんだろう。


「ボスはあんたに自信もってほしかったんだと思うよ」

「自信……」


ダディに相談するとそんな言葉を言われた。

別にないわけじゃない。

私は自分に正当な評価をつけてるだけ。


「たとえばさ、俺はあんたがいたら面白くなると思ったからこのギャングにいれたわけ」

「え、そうなんですか」

「そう。実際、おもろいことになってるしね。駆け落ち拒否して汚職警官やらせるとか、そんな大胆なこと兎月相手にできるのお前くらいだよ」

「ええ……だって兎月くんは私のことすきだから」

「それだよ、それ。お前、兎月のこと信じてやれよ。少なくとも兎月と俺、それからボスはお前に価値を見出してる。それを全部無視するわけ?」

「いや、それは」

「自分を信じることは他人を信じることにつながると、俺は思うよ」


そういえば、わたしは誰も信じてなかった。





だって、他人はいつか離れてしまうもの。

都合が悪くなったら態度を変える存在。

そんなものにわたしの価値をゆだねることなんてできない。

だから、私は自分で自分の価値を決める。

それがわたしの身の守り方だった。




「ねぇ、兎月くん。もし、私が声を出せなくなったらどうする?」


私は兎月くんとデートしていた。カフェに入って、飲み物を注文する。運ばれてきたジュースをのみながら、私は兎月くんに質問した。


「?……どうもしないけど」

「どうもしないって、別れたり離れていったりしないの?」

「逆になんですると思ったの」

「だって、私の価値は声だけだから…」

「価値と魅力は別でしょ。俺は最初Kちゃんの声が好きだった。俺を癒してくれる価値があった。だけど、今はKちゃんの性格含めて愛している。例えKちゃんが逃げようとしても、逃がしてやれないほどね」

「そっか…」

「なにか悩み事?」

「うん、でも解決したかも」




知らなかった。

価値と魅力って別なんだ。

私が役立たずでも、お荷物でも、「アストロノート」のみんなが私を見捨てずにいてくれたのは、私に彼らを惹きつける魅力があったから?

もし、そうだとしたら。

それは、とても。

嬉しいな。





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