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「はい、これであなたも立派な犯罪者でーす」


刑期があけ、刑務所から出た私を出迎えたのはダディだった。


「どういうつもりなんですか」


私がジトっとした目で見つめるとダディは車を指さし、


「まあ、乗れよ」


と言った。





連れてこられたのは山奥の家で、違法薬物の材料となる草がたくさん生えている場所が近いところだった。

家の前に5人くらい人がいて、何やら話し込んでいた。

私とダディは車を降りて、その輪に近づく。


「連れてきたぞー」


ダディが声をかけると、彼らの視線がこちらにむく。


「あなたが新人?」


輪の中から、飛び切り綺麗な声の美人な人が前に出てきて私に言う。

サングラスをずらして私を見つめる瞳はピンクダイヤモンドのように輝いている。


「え、えっと…」


私が言いよどんでいると、ダディが、


「まだこの子に説明してないんだよねー」


と、言って私の頭を撫でた。


「そう、いくつか質問するけどいい?」


美人さんが聞いてくるので私はぶんぶんと頭をたてに振った。


「まず、一つ目。この街に来た理由は?」


この企画に参加した理由を問われる。


「たくさんの人と出会い交流するためです。私には仲のいい友達がいて、でもその子たちに依存したくないんです。だから、いろんな人と交流することで、依存度を薄めようと思いました」


馬鹿正直に答えてしまう。でも、嘘はなんだか許してもらえない気がした。


「じゃあつぎ。その恰好、あなたかわいいものが好きなの?」


「いえ、かわいいものよりかっこいいものの方が好きです。このかっこうは、この衣装で銃を撃ったらギャップ萌えでかっこいいんじゃないかと思って」


「なるほど。犯罪経歴は?」


「さっき、銀行強盗したのが初めてです……」


私は遠い目をしてさっきのことを思い出す。


「面白いことしてたよ。イケボ対決っていってかっこいいセリフを言えた方が勝ちっていう、まあ負けてたけど」


ダディが補足をいれた。


「これが最後の質問。危ない仕事、できる?」


鋭く射抜かれて私は身が引き締まる。


「私は、やってみたいことには全力で取り組む人間です」


と、答えた。

じっとピンクの瞳が私を見つめる。

そして、フッと笑い空気が軽くなった。


「いいわ、合格♡」


私は一気に脱力した。怖かった。下手したら殺されるんじゃないかって思った。


「うちのギャング『アストロノート』へようこそ」


私はどうやらギャングになってしまったらしい。





「っていっても、まだちゃんとしたギャングじゃないの」


美人さんの名前は小鳥遊さんというらしい。

かわいい名前だ。


「三日後にギャング抗争があって、それに生き残れれば正式にギャングになれる。それで人員集めをしていて、選ばれたのがあなたよ」

「そうだったんですね」

「ギャングの定員は10人だから、あとふたりは増えるからちゃんと仲良くしなさい」

「はい」


そして、もうふたり集められ、メンバーがそろったため自己紹介することになった。


「新人三人がまずは自己紹介して」


小鳥遊さんの言葉に、壇上に一人登った。


「水島りゅうといいます!スリルのある仕事に興味ないかと言われ、このチームに入りました!よろしくお願いします!」


野次が飛び、りゅうさんが壇上から降りる。

次の子が壇上にたった。


「レオ・イエローアンバーです!スーパーで買い物してたところ声をかけられ、質問をたくさんされた後ここに連れてこられました!悪いこといっぱいしますので、よろしくお願いします!」


ちょっと境遇が似てるかもと勝手に親近感がわく。

今度は私の番だから、壇上にあがる。


「Kともうします。かっこいいことに憧れてたところ、ダディさんにいい仕事があるといわれ、気が付いたら銀行強盗させられてました。ギャングに入ったら銃をいっぱい撃てるのでかっこいいと思い、このチームに入る決意をしました」


野次が飛んでくる。

壇上はみんなの顔がよく見える。

とても楽しそうで、私のことを温かく見守ってくれてる。

ダディと目が合う。彼はぐっと親指を立てた。

わたしは大きな声で、


「よろしくお願いします!」


といった。







ああ、このチームのことが大好きになりそうだ。

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