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ダディの車に乗り、着いた先は銀行だった。

私はあたまにはてなを浮かべながらついていく。

ダディが警備員になにか渡して、奥の部屋に進んだ。


「このミニゲームやってみて」


パソコンを指差して、ダディが言う。

私はよくわからないながらもパソコンを操作して、ゲームを進める。


「え、このゲーム難しくないですか?」

「Kってゲームあんまりしないんだっけ?難しい?」

「難しいです。ゲームしないって言うより始めたのがここ半年以内の話なんで、慣れてないっすね」

「ま?半年ってマジゲーム初心者やん。なんでも楽しい時期やん」

「そうですねー楽しくやってますー」


なんとかミニゲームをいくつかクリアする。

そして、銀行の奥の部屋に進むと、頑丈な柵の奥に紙幣の山が見えた。


「んじゃ、はい。これを柵に取り付けて」

「え?」


渡されたのは爆弾だった。


「ちょ、ま、え?なんで??」

「いいからいいから」

「なんで爆弾なんて」

「いいからいいから」

「もしかしてこれって銀行強盗」

「いいからいいから!!」


私は青ざめながら、爆弾を握る。


「早くしないと警察きちゃうよ〜捕まっちゃうよ〜」


ダディにそう言われ、慌てた私は爆弾を取り付けてしまう。

ちょっと柵から離れて、爆弾が爆発する。


「よし、お金を拾って!」

「…ええい、ままよ!」


私は覚悟を決めて、お金をカバンの中に突っ込んでいく。

外からサイレンの音が聞こえてくる。


「こらー!犯人は出てきなさいー!」


警察と思わしき声が銀行の奥まで届いて、私とダディは銀行の外にでた。


「人質は?」

「俺が人質ですぅ」


ダディがどうやら人質役をやってくれるらしい。


「解放条件は?」

「どうする、K?」

「うーん」


警察官は男性陣が2人、女性陣が3人いた。


「じゃあ、『トキメキ☆イケボ対決』しましょう」

「え!?」


「かっこいいセリフを言ってときめかせたら勝ちです。審査員は警察官の女性陣3人で」

「なんそれ。おもろ」


ダディが私を指差し言う。

それに対して警察官の2人、いっちゃんさんと漆原さんはすごいいやそうにしている。


「私が勝ったら見逃して、その代わり負けたら即逮捕で」

「オッケー!」

「いいよー!」

「やろうやろう!」


女性陣はすごく乗り気で、楽しそうだ。


「それじゃあ私から」


警察官の女性のうちの1人、恋いろはさんにゆっくりと近づく。


「君といると胸の奥が温かくなるんだ。ふわふわしてキラキラして、世界が鮮やかな色に変わる」


彼女の頬に触れて、熱を確かめる。


「なのになんでだろう。君が他の人に微笑むと、痛くて苦しくて、息が苦しくなる」


私は胸を押さえ、顔を歪ませる。


「お願い、教えて。この感情の名前を」





「以上でーす!」


私の声にみんながドッと騒ぎだした。


「やばー!」

「レベルたっか!」

「Kさんイケボ〜!」

「めちゃきゅんきゅんした!」

「これはボイス販売した方がいいのでは?」


「じゃあ、つぎは警察官の番ですね」


しらーっと男性警官2人が目を逸らす。


「ほら残機2つもあるんですから頑張ってください〜」

「え、どっちもやるの?」

「警察代表で1人でよくない?」

「いや、人数多いほうがそっちは得じゃないですか。ほら、頑張って!」

「くそ…」


いっちゃんさんがスタンバイする。


「君のことが好きだ!付き合ってほしいー!」


「おお、ド直球にいきましたね」

「なんか青春感あっていいね」


顔を真っ赤にしたいっちゃんさんが顔を覆って「タスケテ…タスケテ…」と呟いている。

次は漆原さんの番だ。


「僕はまだまだ弱いけど、絶対に強くなるから」


迫真の声で言う。


「だから、僕に君を守らせて」


強い声が響いた。

これは強敵。


「では、女性陣ジャッジをお願いします。私が良かった人、手あげて」


1人上げる。


「いっちゃんさんがよかった人、手あげて」


ゼロ。


「漆原さんが良かった人」


2人。


「ちぇ、負けちゃったー」


私はいじけて座りこむ。


「Kさんのよかったけど、ちょっと湿ってたのが怖くて…」

「漆原さんは王道でわかりやすかった」

「うーん、これは要研究だな。悔しい」

「じゃあ、逮捕でー」


「俺はただただ大怪我しただけやないかい!」


いっちゃんさんが叫んで、笑ってしまった。

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