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「昨日の配信のもっちりさんマジですごくてさ何回見ても感心しちゃうっていうか、ゲームセンスの塊だよね。でね、もっちりさんは最近マックのバニラシェイクにハマってるって言ってて、今日の帰りに買って食べてきたんだけど本当に美味しくって、教えてくれてありがとうっていうか、推しとおんなじモノ食べてるっていうのが最高に気分あがるよね!」


「……」

「へえー」


「あ、今日これから配信があるって通知来た!ごめん、私通話抜けるね。二人ともおやすみ~」

「おやすみー」


ぴろん、と音がしてKちゃんが通話グループから抜ける。

俺たちより、推しを優先していなくなってしまった。


「ふざけるなよ」


俺の口から出た声は思ってた以上に低かった。


「やっと両想いになれたのに、横から掠め取りやがって」


胸の奥から込み上げてくる感情が溢れて言葉になる。


「いうて、恋人になったわけじゃないんでしょ。あんたがおあずけしたせいで」


るりの言葉のせいで自分自身にも腹が立ってくる。

あのときはあれが一番いい案だと思った。Kちゃんが俺を好きだって自覚したのなら、その気持ちを肥大化させて俺と同じところまで落ちてくるよう仕向けるつもりだった。

なのに、その計画は全部潰れた。


「絶対、許さない」


こんなことなら、Kちゃんを「ストリーマー頂上決戦」に呼ばなきゃよかった。

いやでも、あれのおかげでKちゃんは自覚してくれた。

どっちが良かったのか、わからない。

とりあえず、


「覚えてろよ、もっちり大福」


「名前のせいで締まらないわねー」








新しい大型企画に参加することになった。

「Neon Underworld」という架空の都市グランシティを舞台に生活するゲームを一か月間サーバー解放して遊ぶ企画だ。

まずはキャラクリエイトを視聴者に相談しながらする。


「やっぱりカッコよく行きたいよね〜」


と、作ったキャラが完全に現実の自分と同じファッションをしていた。


「いや、まんま自分だわ」


革ジャンに赤いシャツ、ダメージジーンズを履いたキャラにため息をつく。

他になんかないかと探していると、リスナーのコメントに「ゴスロリはどう?」とある。


「ゴシックロリィタねー…かわいいからなぁ…」


うーんと唸ってると、「ゴシックロリータな少女が銃撃ってたらギャップ萌えする」とコメントが流れてくる。


「え、やば。天才やん…」


キャラをゴスロリの服に着せ替える。


「え、これで銃バンバン撃ってたらかっこよすぎない?ギャップ最高か?」


ニヤニヤしながら、キャラクターを眺める。


「よし、これでいこう」


キャラクリエイトを完成させて、私は街に降り立った。




「こんにちはー」

「こんにちは!」

「こんにちは〜」

たくさんの人がロビーにいて、いろいろな声が交錯する。

とりあえず、ロビーをでて私は街を歩き出した。


「徒歩って楽だけど、流石に遅いね」


配信映えが気になって、どうしようか悩む。所持金を確認すると車を買うお金はありそうだったから、とりあえず格安ディーラーがあるらしいところに行ってみる。

歩きながら、今回の企画でやってみたいことを話した。車の運転も銃も苦手だから救急隊に入ろうか迷っていること。飲食店も楽しそうなこと。いろんな人と出会いたいこと。それから、この間やったカラオケ配信の振り返りとか。


車を買ったので、さっそく運転する。

すぐに廃車になった。

あまりに下手すぎる。曲がりきれずに塀にぶつかるし、車に突っ込むし、高いところから落ちるしでさんざんだ。


修理をしてくれるメカニックのところまで行き、壊れた箇所を直してもらう。


「修理ありがとうございます……」

「いえいえ〜困ったらいつでも連絡ください〜連絡先交換しましょう〜」

「あ、スマホ買ってない」

「あーじゃあ、また今度会ったときに〜」


メカニックの人と連絡先交換できないことに気付き、スーパーマーケットに向かった。店は大賑わいで人がたくさんおり、誰がなに喋ってるかわからないほどだった。

スマホをカートに入れて会計をする。

スーパーをでて、駐車場でスマホの設定をする。


「これで、連絡先交換できる〜」


ゲーム内SNSを開いて、みんなの投稿を見る。


「いろんな人がいるなぁ」


面白い投稿から、謎の投稿までさまざまな情報がのっていた。


「あれ、Kじゃん〜久しぶり〜」


聞いたことのある声に振り返ると、ダディがちょうどスーパーから出てきたところだった。


「ちょうどよかった〜ねえ、Kってさもう就職した?」

「してないよ〜救急隊か飲食か迷ってるけど、せっかくこの格好にしたから銃撃ちたいなって気持ちはある」

「この格好?」


ダディが私の格好を見る。


「カワイイね?」

「でしょ?これで銃バンバン撃ってたらギャップ萌えしない?」

「するする。めっちゃする」

「でしょーだからどうしよっかなーって」

「だったらいい仕事を紹介しよう」

「ほんと!?」

「ほんとほんと」


着いてきてと言ったダディの後を、車をガレージにしまってから追いかける。


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