一話 頑張っているようです
一話 頑張っているようです
階段を人間リフトで楽々越えるエスパーダ達。一方のアックス達は修羅の道を歩んでいた。
「この!」
アックスが足を斬り、黒星が血を広げ、開けた道をハトに乗ったスミス姉妹が通るといった具合だ。
「楽すんな!」
「しょうがないじゃん」
「僕等は撮影係だもん」
要が渡した大義名分を堂々と使い、ふんぞり返っている。
黒星は舌打ちして、黒スーツに攻撃を加えていた。
「誰のせいだ?」
「確実にお前のせいだ。サイズと組ませるのは危険だからな」
「ちえっ」
アックスはテンションが落ちた。
「僕等も女子だぞ」
「やる気出せ」
応援というか文句を投げつけられ、さらに士気が下がる。
「頑張ってくれ。まだエスパーダ達は敵に会っていない。そちらで引きつけてくれていると助かる」
「ずるい」
「僕等ばっかり」
スミス姉妹のテンションも下がる。
「とりあえず能は見つけた。後、三人だ」
「よし、やるしかないな」
一人黒星が気合を入れている。
「やる気が起きない」
アックスはまだ立ち直れない。
「捕まったら、焼肉が食えなくなるぞ」
「焼肉」
「食べたい」
「うおーっ!」
一時的にだが士気が上がった。そこまで期待されると懐が寂しくなっても奢らないといけない。要のほうのテンションが下がった事は言うまでもなかった。