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四天王最弱の闇の貴公子に転生した俺は器用貧乏を返上し、無限の手札と敵専用チート級最強最悪スキルで、高笑いと共に全てを蹂躙し屈服させ覇道を征く!  作者: ミオニチ
第2部 〈全世界統一制覇〉編

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92/94

92、世界統一制覇記念式典・前編。――制覇王ジュド。

 カッ、コッ、カッ。


 ダンジョンマスターとしての権能で、かつ日本人プレイヤーとしての前世の知識を活かしてこのときのために創った一階層のみのダンジョン、競技場風の式典会場。


 靴音も高らかに壇上に進み出た俺は、拡声魔道具を前に、会場中へ響くように第一声を――高笑いを上げる。


「ふはははは! 今日はこの記念すべき佳き日に、この俺のためによくぞ集まってくれた! 各国の首脳たちよ!」


 観覧席から俺を見下ろすは、各国の首脳陣の錚々たる顔触れ。


 三大国。この会場のための土地を提供してくれた一番の友好国と言えるクインブレン王国からは、女王イルゼベールとその娘、王女メルニベール。


 いまも俺の右に控えるデスニアと同様に、左に控えるアリューシャの幼き頃の親友でもある。


 そう。かつて勇者パーティーにもメルニという名前で所属していた魔導士の少女。


 正式に後継ぎに決定したことでどうやら多忙らしく、俺の世界統一制覇完了後も「まだ会う機会がとれないー」とつい先日もアリューシャが俺とデスニア、三人でのいつもの夕食の席で嘆いていた。


 ……が、どうも俺が少し調べたところでは、メルニベールの側が頑なにアリューシャからの申し出を断っている節があるようだ。


 やはりまだ袂を分つこととなった親友との距離感や接し方に悩んでいるのだろうか。


 時間が解決してくれればいいのだが……。アリューシャのあの太陽のような笑顔が少しでも曇るところなど、俺も見たくはないからな。


 しかし、それにしてもあのメルニベール。


 もう随分と前にはなるとはいえ、あの魔王城で相対したときよりも相当に魔力を増して見える。


 やはり、勇者という王国の力の象徴を実質的に失ったいま、王族がその代わりを務め――


 ――ぞわり。


 唐突な悪寒がして思わず背筋を震わせかけた俺は、なんとかそれを表に出さずに踏み止まる。


 な、なんだ……!? いまのは……!? さ、殺気……!? まさか……め、メルニベール……か……!?


 だが、観覧席とこの式典会場の間はダンジョンの能力をほぼそれ一つに注ぎ込んだ強固な障壁で守られているから、まず突破することは不可能。


 それに、いまも魔力の行使の気配も欠片もなく、メルニベールは王女らしく着飾って優雅に微笑んでいるだけだ。


 ――心なしか、どこか凄みがあるようにも見えるが……。


 ……まあ気のせいだな。気のせいだ。うん。


 それに、あまり式典を停滞させるのもよくない。会場を見回すのは程々に切り上げて、式典を進行するとしよう。


 観覧席には、他の二大国。


 元エリミタリア永世帝国からは、捕虜から解放してやった元天技将帝キルシュアーツと、実質的に政務を取り仕切っている文官たちが。


 フェストア聖教国からは、聖天司教ミョルギニルと、先日の粛正によりその顔触れを半分以上すげ替えたはずの聖司教たちが。


 他の小国。最初に魔王国エンデに恭順を決めたトーリラ王国、フレト王国からは両国の王。


 最近は、我が魔王国からの援助もあり、徐々に両国の状態も上向いてきているという、喜ばしいことだ。


 これからも共存共栄できていければ、言うことはない。


 他の小国からも式典に参加した王や大臣といった首脳陣が観覧席から固唾を飲んで次の俺の動向を見守っている。

 

 ――さて。では、そろそろ本格的に始めるとしよう……!

 

「聞け! 各国の首脳たちよ! 我が魔王国エンデはこの世界全ての国々とあるいは友好を結び、あるいは属国化し、あるいは討ち滅ぼした! そう! 俺はここに史上初の世界統一制覇を成し遂げたのだ! ゆえに俺は、もはや魔王ではない! これより俺が名乗るは、我が名は、()()()ジュド! 各国の首脳たちよ! この歴史に刻まれるであろう偉大なる名前を諸君らも、その耳に、その脳裏に、その魂に刻みつけよ! そして! 制覇王ジュドの名のもとに! これより!」


 その瞬間。


 すでに会場で作動し続けていた隠蔽魔道具が一斉に効力を失い、観覧席各所から一斉にどよめきが上がる。


 露わになったのは、壇上の前。


 会場にずらりと並ぶ、石柱に鎖でくくりつけられた口枷を嵌められた数多の罪人たちの姿。


 一様に罪人らしからぬ典雅な衣装に身を包んでいた。そう。罪人自身の虚飾により彩られた。


「ふはははは! これより、我が理想世界に生きる価値のない、民へと害を為すしか能のない、上に立つ資格のない暗愚どもの! 処刑を執り行う!」


 そして俺は、拡声魔道具で増幅された、高らかに会場中に響く声でそう宣言した。

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