表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四天王最弱の闇の貴公子に転生した俺は器用貧乏を返上し、無限の手札と敵専用チート級最強最悪スキルで、高笑いと共に全てを蹂躙し屈服させ覇道を征く!  作者: ミオニチ
第2部 〈全世界統一制覇〉編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/94

89、フェストア聖教国事変・4。――粛正対象。ふわりと、翻る。

「よいしょ、っと!」


 潜入した辺境の教会であてがわれた狭苦しい部屋の中。


 愛しのマスター、イクチノさまとの朝の挨拶と心温まるひとときに一度区切りをつけ、ボクは掛け声と共にベッドから降りる。


 ふわりと広がった寝間着の裾を抑えながら、寝ているボクのベッドの足側へと駆け寄り。


「…………うえぇ。あー。やっぱり」


 仰向けに倒れ、ひどく驚いたような形相のまま、胸を一突きにされた男の死体に目をやった。


 ――ペドロス聖司教。白髪の好々爺然とした老人。


 寝ているはずのボクの部屋に忍びこんで何をするつもりだったのかは、まあ、あえてはっきりとは言わないけど……。


 ベルトが外され、半分ずれ落ちた白の法衣のズボンという生々しい格好からも明らかだ。


 ……うえぇ。予想はしてたけど、やっぱり気持ち悪。


「……………………現行犯。……………………未遂」


 いつものとおりイクチノさまが最小限の言葉で。


 ――()()見習いへの疑惑はたくさんあったけど、眠らせて犯行に及んだあとは回復させて証拠隠滅って卑怯かつ狡猾な手口から、いままでは証拠がなくて手が出せなかったけど。


 ニノハが囮になったおかげで、ついに現行犯! ってところをサクッと私が暗殺! あ、もちろん未遂だから安心してね! ……大丈夫? 私のおっぱい揉む?


 ――最後のは、もちろんボクが勝手に付け加えた単なる妄想だけど!


 でも、イクチノさまが多分ボク以外には伝わらないかも? な優しさを込めて、そう精一杯労わってくれた。


「……ありがとうございます。イクチノさま。大丈夫ですよ。ボク、イクチノさまを心から信じてますから」


「…………………………………………ん」


 また、口元から垂れた黒の布の向こう。ほんの少しだけイクチノさまが唇の端を上げる。


 それを心からうれしく思い、目を細めてから。ボクは仰向けに倒れた、口を大きく開けた死体に向き直った。


 ……それにしてもこの人、あんなに自信満々だったのに。


 黒いお金に関わっていない自分は、粛正の対象外だと本気で思っていただけだったんだ。


「馬鹿だなぁ。ボクたちの主君たる魔王ジュドさまといまの()()()()()()()()にとって、弱者を虐げる屑は等しく粛正対象なのに。……それにしても、なんかすごい顔で死んでるよね?」


「……………………驚き。……………………叫び。……………………始末」


 ――何かに驚いて叫び声を上げられそうになったけど、その前に始末した、ですか。イクチノさま。


「一体何に驚いたんだか。まあ、このクズが部屋に忍び込んだ目的から考えて、どうせ掛けた毛布をめくって見ちゃったボクのこの寝間着とかなんだろうけどさ。失礼しちゃうよね! お気に入りなのに!」


 もの言わなくなった死体にそう吐き捨てつつ、その場でくるりと一回転。


 ボクのお気に入りの寝間着――少女然とした薄桃のレースの()()()()()の裾がふわりと花のように翻る。


「…………………………………………可愛い」


「あはっ! ありがとうございます! イクチノさま!」


 ほんのりと、ほんのわずか頬を染めたイクチノさまの感嘆のようなその褒め言葉に、ボクは心から満足する。


 ――さっきまで感じていた言いようのない気持ち悪さなんて、もうすっかりどこかに消えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ