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四天王最弱の闇の貴公子に転生した俺は器用貧乏を返上し、無限の手札と敵専用チート級最強最悪スキルで、高笑いと共に全てを蹂躙し屈服させ覇道を征く!  作者: ミオニチ
第2部 〈全世界統一制覇〉編

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88/94

88、フェストア聖教国事変・3。――ニノハの朝と愛しのマスター。

「ふわぁ〜。なんだか久しぶりに、よく寝たぁ〜。……あれ? 朝? じゃあ、やっぱり来なかったり? ならいいけど、ん〜〜! ……って、ぽよ、よん?」


 差し込む朝の光に小鳥が囀る中。


 なんだか久しぶりに、いい気分で目が覚めたボク。


 まだ少し眠い目を擦り、ベッドの上で体を起こし、いつものように大きく両腕を広げて寝間着のまま伸びをすると――伸ばした左手の先にぽよよん、と柔らかな感触……それも、かなり、いや、すごくすごく大きい。


 ――え!? 待って待って! って、ことは……!


「……………………おはよう。…………………ニノハ」


「わわわっ!? お、おはようございますっ! ボクの愛しのマスターっ! イクチノさまっ!」


 その事実に気づいたときに上からかけられたのは、涼やかで小さく、ぼそりとした――ボクの大好きな声。


 それからあわてて、ボクはベッドの上で寝間着のまま正座をして、あわてて挨拶を返す。


 ――もう何度となく伝えたように、ボクにできる精一杯の愛の言葉を添えて。


「で、でもイクチノさま? なんでいまここに?」


 頬を紅潮させたまま問いかけ、ちらと見上げれば。


 艶やかな黒髪ポニーテールに黒の瞳。


 肢体にぴったりとした黒の装束の上に黒のケープマントをそのとっても大きな胸で押し上げたイクチノさまは、こくりとうなずくと。


「……………………通り道。……………………疲れ。……………………代わり」


 口元から垂らした黒の布にふぅっ、と息を吹きかけながら、いつもどおりに最小限の言葉で。


 ――潜入任務で疲れているだろうボクを朝まで起こさないように、代わりに任務は終わらせてあげたよ! 褒めて褒めて!


 と、多分ボク以外には伝わらないかも? な優しさと、甘えを滲ませた言葉で、そう教えてくれた。


 ……だって、黒の布で隠した唇の端がほんのちょっと持ち上がってるなんて、多分ボク以外気づかないですよ? 愛しのマスター。


 だからこそ、それがわかるボクは。


「わあ……! ありがとうございます! イクチノさま! おかげでボク、久しぶりに朝までぐ〜っすり寝れました! ボク、ここのところの続く潜入任務で少し疲れてたけど、イクチノさまのおかげで、まだまだがんばれそうです! やっぱりボクの愛しのマスターは、とっても優しくてあったかいですね! えへへ!」


 心からの親愛と思慕とありがとうを込めて、花咲くような笑顔でそう応える。


 すると。


「…………………………………………ん」


 ボクの愛しのマスターは、イクチノさまは、黒の布で覆われた口元の向こう。


 さっきよりもほんの少しだけわかりやすく唇の端を上げたまま、照れたようにほんの少しだけ頬を朱に染めて、そう応えた。

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