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四天王最弱の闇の貴公子に転生した俺は器用貧乏を返上し、無限の手札と敵専用チート級最強最悪スキルで、高笑いと共に全てを蹂躙し屈服させ覇道を征く!  作者: ミオニチ
第2部 〈全世界統一制覇〉編

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83、白光と強襲、翠の瞳の覚悟。――そして俺は、もう一つの真実に手を伸ばした。

「なっ……!? 消えっ……!? ま、まさか……!? これはっ……!?」


 白光に包まれる永世皇帝ネスカリシュオが驚愕の声を上げる中。


「デスニアっ! アリューシャっ!」


「うむっ! ジュドさま! 魔王の!」


「うんっ! ジュドー! 勇輝のー! 傲魔のー!」


 俺の呼びかけに応え、デスニアが蒼の魔力をたなびかせて上に飛び。

 アリューシャがその場で深く息を吸い、二本の剣を平行に構える。


「っっ!? マリアリテレザっ! 三十年っ!」


「雷! 鎚っ!」


「地・行・一閃ーっ!」


「小賢しいっ!」


 放たれるは、三者三様の叫びとスキル。


 デスニアが落雷のごとき速さで放った蒼の炎をまとった右脚の蹴りを膨大な魔力をまとった左腕を振るい、永世皇帝ネスカリシュオが吹き飛ばし。


 アリューシャが放った光と闇の水平二条の剣閃を永世皇帝ネスカリシュオが膨大な魔力をまとった右手のひらで受け止める。


「――千年王国の崩壊!」


 そして、その直後。再び俺が放った白光がその少年帝の総身を灼きつくす。


「ぬう、ぅぅっ……!?」


 ――今度は、あえて追撃の強襲はしない。


 この聡明な少年帝ならば、これで全て理解するはず。


 俺がしようとしていること。言わんとすることを。


 そして、自分と国母将帝マリアリテレザが置かれた状況を。


 やがて、白く眩い輝きが全ておさまっていく。白光が晴れた、そこには――


「魔王、ジュド……!」


 何事もなかったように、俺たちがこの謁見の間に入ってきたときのままの、デスニアとアリューシャの連続攻撃も難なく防ぎ、無傷の永世皇帝ネスカリシュオが固く強張った表情で、佇んでいた。


()()、いま二度にも渡り、余に何を……!」


 そう。何事もなかったように――


「貴様っ! いま余に一体何をしたぁぁぁぁっっ!?」


 ――激昂する、二度連続で迸るまでの()()()()()()()()()()()、俺たちがこの謁見の間に入ってきたときのままのただの少年(子ども)と化した永世皇帝が。


「ふはははは! どうだ? 永世皇帝ネスカリシュオ! これがおまえに勝利するためにこの俺がスキルリセットして用意した切り札のチート級最強最悪スキル、千年王国の崩壊! その効果は、ただ一つ! 敵全体への絶対的なる強化(バフ)解除!」


 ――スキル〈千年王国の崩壊〉。


 理不尽一歩手前のチート級最強最悪スキルの一つに数えられるこのスキルも、当然元の使い手は表ストーリークリア後の裏ステージの邪神たちの一人となる。


 その効果は、先ほど述べたとおりの、百パーセントの確率での絶対的な敵全体への強化(バフ)解除。


 正直、いままでに俺が使ってきたアビスフレイムを始めとする他の最強最悪スキルに比べると、わりと見劣りする、大人しい効果に思えるかもしれない。


 だが、先ほども言ったとおり、そもそもこのスキルの元の使い手は、邪神。


 遥かに能力値に劣る味方にありったけの強化を施した上で連携して、ようやく戦いになろうという五枚も十枚も格上の相手。


 それが、完全に予測不可能(ランダム)なタイミングで幾度となく味方への強化を嫌がらせのように解除してくる。


 これを理不尽一歩手前の最強最悪と言わずして何と言おう。


 ――そして、それはいまの俺と永世皇帝ネスカリシュオの間でも同じと言えた。


「ふははは! それにしてもなかなかに上手く事が運んだものだ! まあ、当然勝算は十分と踏んではいたがな!」


 少年帝は、憎悪に凝り固まった翠の瞳で、黙って俺を睨みつける。


「永世皇帝ネスカリシュオ。国母将帝マリアリテレザに全てを握られた名ばかりの君主、傀儡の皇帝に見せかけるために、おまえは常に非力を装わざるをえない! ならば、自ら戦わざるをえないこうした有事の際におまえはどうするか? そう。自らを強化せざるをえない……!」


 そう。これこそが俺の勝利の確信の理由の一つ。


 俺は、これ見よがしに高笑いを上げる。


 殊更に。執拗に。挑発するように――挑発に、乗るように。


「ふはははは! その強化の幅がこの俺の想定を遥かに超えていたことは大きな誤算だったことは認めよう! だが、それも強化である以上! この俺の切り札であるスキル〈千年王国の崩壊〉からは絶対に逃れられない! ふはははははは!」


「…………小賢しい。弱者は弱者なりに、ない知恵を絞ったというわけか。だが、魔王ジュド。貴様、何を自らがすでに余に勝利したかのように品性のない高笑いを上げている?」


 血を吐くような呟きと共に永世皇帝ネスカリシュオが一度瞑目し、再び開いたその時。


 その翠の瞳には、憤怒ではなく覚悟が満ちていた。一国を統べる君主としての覚悟が。


「成程。確かに、余とて貴様のその忌々しいスキルから逃れる術はないのであろう。だが」


 ちらと向けられた少年帝の視線に応えるように、佇む国母将帝マリアリテレザから激しく魔力が迸る。


「この千年、余がこのエリミタリア永世帝国全土の国民より吸い上げ、そして国母将帝マリアリテレザに蓄積させ続けてきた魔力。その全てを矮小なる貴様たった一人の魔力で奪い尽くせると本気で思うのならば、やってみるがいい……!」


 ――そう。そのとおり。ゆえに。


「くく。その言葉、そっくりそのままおまえに返そう……! 永世皇帝ネスカリシュオ……! 本当にいいのか? おまえは、この俺が全ての魔力を奪いつくし――その結果、国母将帝マリアリテレザを永久に喪失(うしな)わせても……!」


 俺は、もう一つの勝利の確信に、切り札に。


 ――エリミタリア永世帝国の、永世帝国ネスカリシュオのもう一つの真実に、手を伸ばした。

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