表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四天王最弱の闇の貴公子に転生した俺は器用貧乏を返上し、無限の手札と敵専用チート級最強最悪スキルで、高笑いと共に全てを蹂躙し屈服させ覇道を征く!  作者: ミオニチ
第1部 〈そして俺は、勇者と魔王を手に入れる〉編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/94

30、前々魔王のマントと、ありのままの少女。

本日2話目。




「ほう……! それが真なる魔王となったいまの俺にふさわしい権威と畏怖の象徴たる新たなマントというわけか。デスニア」


「うむ! そうじゃ。これ以上のものは考えられぬ。なにせ、このマントは――この我が生まれる前に亡くなられた父君、前々魔王デスゴルドのものなのじゃから……」


「前々魔王の……!」


 魔王の居室のリビングスペース。


 衣装部屋から戻ってきたデスニアが抱えていた大きなマント。


 テーブルの上に広げた、やはり魔王らしく黒を基調とするそれは、襟元が首よりも高く、華美すぎない程度に所々に金の刺繍、両肩には魔石を魔法金属で縁どった肩あて。


 非常に豪奢かつ優美、そして勇壮さをも兼ね備えた、まさに魔王の権威と畏怖の象徴たる逸品だった。


 前々魔王デスゴルド。王妃サティニアがその胎に一子を宿したことを知った喜びも束の間、すぐに大きく体調をくずし、復調することなくそのまま息を引き取ったという。


 そして、残された王妃サティニアもその忘れ形見の一子を産み落としてすぐに、その生命を使い切ったかのように同じく息を引き取った。


 父と母の魔力と生命を全て啜って生まれ落ちた忌まわしき御子(みこ)――そのレッテルは、デスニアがその同族としては圧倒的な力とともに畏怖され、孤独を余儀なくされた理由の一つだ。


 あとは、まあ……極めてわがままかつ傍若無人、唯我独尊な性格とか、本人由来の理由も多分にあるだろう。


 もちろん、その寂しがり屋で甘えたがりな幼子のようないま俺の前だけで見せるその本質を魔族全員の上に立つ魔王という立場上、誰にも見せられなかったことも含めて。


 ――だが、それはそれとして、引っかかることもやはりある。


「ふむ。確かにこれ以上ない逸品だ。いまの真なる魔王となった俺に、確かにふさわしいと言える」


 そこで俺は、隣に立つデスニアにまっすぐに視線を向ける。


「だがデスニア。俺はおまえがこのマントを身につけたところを見たことが一度もない。これほどの装備ならば、当然サイズ調整機能程度はついているはずだ。なぜだ?」


 ――このマントはいわばデスニアの父君、前々魔王の形見でもある。


 いまも主人たる俺のマントを身につけ欲したときと同様に、このマントを身につけ父君の遺した感触や宿した愛に包まれていれば、いままで感じてきたその孤独も少しは慰められていたかもしれないのに……なぜだ?


 本当の疑問は胸中に押しこめながら俺が尋ねると、少女は、ぱちくりと紫の瞳を瞬き、きょとんとした表情で小首を傾げた。


「え? だってそれ、この我が着ても、ゴツくて全然可愛くないし……」


 ――うむ。やはり、デスニアはどこまでもありのままのデスニアだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ