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四天王最弱の闇の貴公子に転生した俺は器用貧乏を返上し、無限の手札と敵専用チート級最強最悪スキルで、高笑いと共に全てを蹂躙し屈服させ覇道を征く!  作者: ミオニチ
第1部 〈そして俺は、勇者と魔王を手に入れる〉編

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16、少女魔王と四天王・2。―小さな暴君と退屈な座興。

本日2話目。




 魔王デスニアの座す玉座のある謁見の間。


「ねエ? 魔王デすニアさマ? 次はボクだヨね?」


「ふむ。よかろう。これ以上あの期待はずれな図体ばかりの脳筋木偶(でく)に話させてもつまらなそうじゃ。次なる座興としてこの我が許す。発言せよ。パペネクタ」


「っ……!」


御意(ぎょイ)


 数多くの魔族や魔物が列席する謁見の間。


 にべもなくそう告げられ、少女魔王デスニアにあっさりと切り捨てられた四天王元筆頭、暴魔将軍バーオネラルがぎりりと歯噛みする中。


 ぐりん、と半分は道化、半分は髑髏の不気味な仮面を傾げ俺に声をかけ、次いで玉座の魔王デスニアに伺いを立て許可を得たのは、俺と同じく魔王直属四天王の一人、死霊軍師パペネクタ。


 どこかつくりものめいた独特の抑揚のある声はもちろん、その小柄な全身を被せた布で覆い隠していて、あいかわらずはっきりとした姿形どころかその性別すら判然としない。


 その隣の四天王最後の一人、寡黙で声すらろくに聞いたことのない闇ニンジャマスターのイクチノも同じく目元から下を垂らした黒い布で隠していて、わかるのは艶やかな美しい黒髪ポニーテールで長身の女性ということぐらいだ。


 顔を隠しているのに、なぜ女性と言い切れるかというと、その……全身をピッタリと包む漆黒の衣装にその見事な肢体のラインがくっきりと、やはり男としての(さが)か、特にその魔王軍随一の圧倒的な豊満さを誇る、爆のつきそうな見事な胸が俺の視線をつい釘づけてやまなく――


「ねエ? ジュド? 聞いテる?」


「ああ。もちろん聞いているが、何だ? パペネクタ?」


 ――その再度の呼びかけに、思春期的もの思いについふけっていた俺の思考は一拍遅れて、ようやく現実に戻ってきた。


 臆面もなく、さも「ずっと聞いていましたが何か?」 と言わんばかりに鷹揚にうなずく。


「だからサ? ジュドが勇者タちを倒したノなら、そノ死体をボクにくれなイ? お人形にシて、ボクのトモダチにしてあゲたいんだけド?」


 どこかつくりものめいた、わずかに上ずって聞こえる独特の抑揚のある声。


 俺はそこに、仮面の奥の唇が愉悦で歪に震えているのを感じとる。

 それをわずかに不快に思いながら、だがそれを表に出すことなく、俺は粛々と答えた。


「残念だが、それは不可能だ。パペネクタ。なぜなら俺が下した勇者たちは、一人も生命を落としていないからな」


 その俺の答えに四天王以外の列席する魔族や魔物から、わずかにどよめきが上がった。


 ――ふむ。どうやら、俺が勇者アリューシャたちを倒した顛末をこの場の全員が事細かに知っているわけではないらしい。


 おそらく、いや間違いなく魔王デスニアは、退屈しのぎに俺と勇者アリューシャたちとの戦いの一部始終をこの魔王城のダンジョンマスターとしての権能を使って視ていたはず。


 何らかの意図があって伝えていないのか、それともどうでもいいから何も伝えていないのか。


 まああの気まぐれで、ほとんど全てのことにつまらなそうに無関心な魔王デスニアのことだ。おそらく後者だろう。


 ちらりと玉座の件の魔王に視線を向けると、座興と題した言葉のとおり、俺とパペネクタとのやりとりをじっと頬杖をついて見つめていた。


 その現存する魔族ではただ一人の形質。高貴なる紫の瞳からは、何の感情も窺い知れない。


「アれ? そうなノ? じゃア、生きテてもいいカらサ。ジュド。ボクにちょうだイ?」


「それも断る。あのものたちはいま、俺の客人として丁重に扱っているのでな」


「ア……そうなノ? 残念(ざんねン)


 ガシャッ!!


「待てっ! パペネクタ! 何を平然と引き下がっているっ! ジュド! 貴様いま何と言った!? あろうことか、あの大逆の勇者たちを客人だとっ!? 禁忌に触れたことといいっ! やはり貴様、忌々しい人間どもと通じ、我ら魔族に反逆を企て――」


「おい。この我がいつ発言を許した? 木偶」


 再び色めき立ち、興奮した様子で俺に指をつきつけ、がなり立てる暴魔将軍バーオネラル。


「っっ……!? も、申しわけ…………!」


 その黒鎧の大男を木偶となじりただ一言でだまらせると、少女魔王デスニアは無感情な視線をバーオネラルから外し、ゆっくりと正面に向けた。


 その細められた怜悧なる紫の瞳が俺を捉える。


「さて。この我の予想どおりに退屈でおもしろくもなかったが、座興はこれで終わりじゃ。では、これよりこの我の本題に入るが……ジュド。覚悟はできているのじゃな?」


「ええ。無論ですとも。魔王デスニア陛下」


 その小さな暴君の冷徹なる視線に、俺は片側留めの藍色のマントをバサリと翻し、芝居がかった調子で恭しく頭を下げて微笑みながらそう答えた。

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