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四天王最弱の闇の貴公子に転生した俺は器用貧乏を返上し、無限の手札と敵専用チート級最強最悪スキルで、高笑いと共に全てを蹂躙し屈服させ覇道を征く!  作者: ミオニチ
第1部 〈そして俺は、勇者と魔王を手に入れる〉編

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15/94

15、少女魔王と四天王・1。―君臨せし、この世の闇を体現した少女。

本日1話目。




「ご機嫌麗しゅう。魔王デスニア陛下。先ほどの念話でのお求めに応じ、魔王麾下直属四天王()()たる闇の貴公子ジュド、いまここに馳せ参じました」


 大広間の中。


 跪き、視線の先の玉座に座す魔王デスニアに向けてそう告げ、俺は恭しく頭を下げる。


「うむ。ようやく来たか。待ちくたびれたぞ」


 外見は年端のいかない幼い少女の姿をした魔王デスニアは玉座に座したまま、その人形めいた美貌で表情一つ変えずそう応えた。


 ゆるく波がかったふわりと広がる白銀の長い髪。頭から生える曲がった何本もの黒の角はまるで女王の冠のように、その髪の美しさに彩りを添える。


 肌は陽の光を一切通さないかのようにつくりものめいたまでの雪白。

 その幼く華奢な体のラインがぴったりと浮かび上がるほどに薄い、所々が透けた黒のドレスをまとい、その上に肩にファーのついた黒いマントを身につける。


 そして、この世界の全てを見下す、その細められた絶対零度の視線。伶俐なる瞳の色は、冥府の闇の炎と同じ、魔族で唯一人の高貴なる紫。


 一言で表すならば。その玉座に座すのは、この世の闇を凝縮し、その身に体現したかのような少女。


 ――現魔王デスニア。まさしく太陽の少女たる勇者アリューシャとは、対極となる存在だった。


「顔を上げ、その場で立て」


 やや高く、涼やかかつ流麗な声でそう告げられ、俺は顔を上げ立ち上がると辺りをゆっくりと見回した。


 ――高難易度ダンジョン攻略型RPG〈ダンジョンブレイバー〉のストーリー上のラストダンジョン魔王城。


 その最上層十階、最奥の大広間に位置するストーリー上のボス、少女の姿をした魔王デスニアが玉座に座す謁見の間。


 ゲーム中においては何度となく訪れたことのある本来魔王デスニア独りのみが座すその場所は、だがいまはその様相を大きく異にしていた。


 早々に俺の手で勇者が打倒された結果、いまだ健在な他の四天王を含む多くの魔族や魔物がそこに列席していたのだ。


「さて、ジュド。この我が本題に入る前に、ここに居並ぶ貴様と同じ四天王どもが貴様にもの申したいことがあるそうじゃ。この我との本題の末、貴様が二度と喋れなくなっても、それはそれでつまらぬからな。この我が座興として許す。発言せよ。バーオネラル」


「御意っ!」


 その魔王デスニアの言に高らかに返事を返したのは、漆黒の全身鎧を着込んだ、俺の倍以上の上背のある巨漢の男。


 多くの列席者のうち特別な地位にあることを意味する魔王デスニアのすぐそばを固める三人。俺以外の魔王直属四天王の内の一人。


 その巨漢の鎧男が兜の奥の目を揺らめくように赤く光らせて俺をにらみつけ、野太い声でがなり立てる。


「まずは、闇の貴公子ジュドっ! 我らのうち、最も下層の三階に配置される四天王末席の貴様ごときが 言うに事書いて筆頭だなどとっ! 誰がいつ、そんなことを認めたっ!?」


「おや? これは異なことを言うものだ。四天王()筆頭、暴魔将軍バーオネラル殿……いや、格下相手に殿はいらないな。バーオネラル。我ら魔族の世界は弱肉強食の実力主義が摂理であることは、もちろんおまえも知っているはず。それともまさか、かの少女勇者アリューシャたちを倒したこの俺の功績が四天王筆頭を名乗るのに足りぬとでも?」


「か、格下っ!? お、おまえだとっ!? い、いや、そ、そうだっ! 勇者だっ! このオレの知る貴様ごときの力では、到底あの勇者たちを倒すことなどできぬはずっ! このオレならばともかくとして! 答えろっ! ジュドっ! 貴様っ! いったいどのような汚い手を使って勝ちを拾ったっ! 答えろぉっ!」


 俺の軽い挑発一つで、正体をなくしたようにいまにも飛びかかりそうなほどに興奮した様子の暴魔将軍バーオネラル。


 それを見て、俺は薄く口の端をつり上げた。


「さて。まあ汚いかどうかは、個人の解釈にゆだねるとするが。うむ、そうだな。とりあえずいまここでは、おまえのように頭の中まで筋肉がぎっしり詰まったパワーと図体自慢の木偶(でく)には決して不可能なやりかたで、とだけ言っておこうか」


「きききき、貴っ様ぁっ!」


「ねエ? モう終わったのナら、次はボクでイい?」


 激昂したバーオネラル(脳筋馬鹿)が冷たく瞳を細める魔王デスニアの御前であるにもかかわらず、我を忘れて俺に飛びかかりかけたそのとき。


 割り込むように、その逆側に並ぶ残りの四天王二人のうちの一人、小柄な死霊軍師パペネクタがその半分は道化、半分は髑髏を模した不気味な仮面の首をぐりん、と俺に向かって傾げた。


 ――独特な抑揚を持った、性別すらも判然としないつくりものじみた声とともに。

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