22 出会い
白行は微笑みながら言った。そんな呑心は周りをキョロキョロ見渡す。雪はあまり降っておらず、その代わり小さな水滴と一緒に爽やかな風が吹いている。見える街は言葉で表せないほどの広さで、空から見ると人が豆粒のように感じた。天雲霞无は外が雲に囲われているようで、まるで"台風の目"の中にいる感じだ。
玄武に乗って飛んでいると、街の人達から「宗主様だ!!」「おかえりなさーい!」と手を大きく振るもの、上を見上げ声をだすもの全員が笑顔だった。大勢のその声に白行は微笑みながら手を振る。すごく慕われているようだ。
「さぁ! もうすぐ空天家に着く。お前達も、長旅ご苦労だったな。今日はもう我が家へ帰るがいい。」
「御意。お心遣いに感謝を…!」
白行に声をかけられた従者達はそれぞれ玄武から飛び降り、風に乗って帰っていった。それからというものの、空天家に着くのはあっという間だった。急な斜面の岩山。人の足で登るのは少し難しそうだ。今2人は玄武に乗って空天家に着いたわけだが、民や従者達は長い階段か、水滴が混ざった風の力を使って登る方法しかない。
空天家の中庭の様なところに玄武は下りた。そして白行と呑心が下りたのを確認し、また緑の光になり指輪へと消えていった。
「父上ーー!!!!」
「お待ちくださいっ!!公子様!!」
どこからか元気のいい男の子の声が聞こえた。その声の持ち主は白行に向かって走り、思いっきり抱きついた。
「ただいま、"思季"。」
「おかえりなさい父上!」
これが空天思季と空鬼呑心が初めて出会った時である。




