20 子供
深い眠り。
夢を見た。
懐かしい夢を…。
雪がシンシンと降る寒い寒い冬。ここは大きな街からずいぶんと離れた村。辺りは雪が積もり、人気もなくただただ静かだった。荒れ果てた畑。ボロボロの藁の屋根。
その村の隅にうずくまって静かに泣いている小さな男の子がいた。その子は、まるで狼に千切られたようなビリビリの服で、雪が降る寒い冬では耐えがたい格好。少し伸びた髪はボサボサで土や木の枝が刺さっている。靴もはいてない足と指先は赤紫になっていた。次第にその子の頭には雪が積もっていく。瞳には何も写さず、ただただ息を殺して泣くだけ。
そんな中、雪を踏む音が近づいてきた。
「こんなところに子供が…。」
「宗主様。ここは怨念がよく出てます。どうしましょうか?」
「…この子は霊力が高い。そのおかげで今まで怨念が寄ってこなかった…。よし!我ら冀魄空神が引き取ろう。すまない、この子に暖かい布を用意してくれるか?」
雪のような白い衣を着ている大人の男性。その後ろに従者と見られる人が何人もいた。従者からもらった布を男の子の積もった雪を払い被せる。そして、その子を軽々と抱き上げた。男の子は男性を睨んでいる。
「そんなに警戒しないで大丈夫。私はここの領土、冀魄空神宗主、空天 白行。君の名前を聞いてもいいかい?」
優しい顔立ちで而立前くらいの男性は、ここ、冀魄空神の宗主だったのである。腕の中に大人しくいた男の子は名前を聞かれ下を向き、小さな声でこう言った。「……空鬼…。下の名前は知らない。」と。聞いた白行は目を見開き名字しかないことに驚くが、すぐに微笑みに戻った。
「そうか…。ならば今私が名前をつけよう。そうだな…。」
顎に手を当て考えた。男の子はそんな白行をじっと見つめる。しばらくたち、白行はこう口にした。
「うん…。
"呑心"。
これから君は空鬼呑心だ。」
すると光が消えていた瞳は、たちまちキラキラと輝いた。そして、男の子は「…てんしん…呑心…!」と呟く。嬉しそうな表情に思わず白行も嬉しく笑顔になる。そして、呑心の冷たい小さな手を握った白行は眉を潜めた。嬉しそうな呑心の目を見て話す。
「呑心。行く宛がないならば、私のところで神力者の修行をしてみないか?君と同じ歳の息子もいる。」
幼かった呑心は神力者と言う言葉を初めて聞いた。だが親もいない呑心は本当に行く宛もなく、このままでは死を待つだけ。神力者という言葉に興味を持ち、笑顔で「行く」と言った。白行は頷き、呑心を抱っこしたまま、従者を連れて屋敷へと帰っていったのであった。
どうも、明庵心架です。
この場で話すのは初めてですね。
えーと、ここから先は主人公の過去、いわゆる前世の物語へと一旦入ります。どんな前世だったのか、明かされてきますね。
最近は忙しく投稿ができない日もあると思いますが、毎日投稿を目指して頑張りますo(`^´*)
また、評価やコメントなどをしてほしいな~……
……なんちゃって…。はい、すみません。
読者の皆様に「続き読みたいな」「面白いな」と思えるような物語にしていくので、今後ともよろしくお願いします!
以上、明庵心架でした。




