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邪楽 ─日の國の鬼神─  作者: 明庵 心架
第二章 一族
17/29

17 鬼神伝の力



 術を解いた。


 生鬼軍師は動かない間、力をためていたぶん、勢いよくこちらへ向かってくる。呑心てんしんは軽々と避け鬼の背中にまわり、鬼の前に少しだけ足を出した。鬼はそのまま盛大に転ける。



「生鬼軍師の鬼は落ちたものだ。」



 呑心てんしんは無表情で言った。鬼はゆっくりと起き上がり凄まじい声で叫びながら走ってくる。



「静かに。お子様達が起きる。」



 またしても軽々と避け鬼の近くで、人差し指を自身の口にあてポーズをする。呑心てんしんは後ろに歩く。鬼は大剣を横や縦に振ったりしている。そのたび呑心てんしんは余裕の笑みをうかべながら、ジャンプしたり屈んだりと避けていた。



「ゔあ"ぁぁぁ!!!!!ゔぅ!ゔゔぅ!」


「はっ。攻撃が当たらなくて悔しいか。だが、自暴自棄になってるだけの攻撃は俺に当たることはないし、お前が俺に勝つことは一生ない。」



 呑心てんしんは目を閉じ立ち止まった。そんな鬼は大剣を高く持ち上げ「ゔがぁぁ!!!!!!」と言いながら呑心てんしんの頭めがけて振り下ろそうとする。



 見えないほどの振り。避けることは無理に等しい。呑心てんしんは立ち止まって動こうとはしない。鬼と呑心てんしんの2人だけの空間。神力修の2人は気絶しており、助けに来る人はいない。


 打ち付けてくる雨までも、すべてが、ゆっくりと動いているようだった。


 そしてそのまま、呑心てんしんの頭に大剣が刺さると思った…。






 すると、いきなり「カッ」と呑心てんしんが目を開け少し笑った瞬間─


 突然「ブワッ」と空間が歪んだ。雨は止み、風が吹き木がサーサーと音を立てる。その一帯だけの空気さえも変わったのだ。


 それよりも大きく変化があったとすると、鬼の大剣は遠くに吹っ飛び、謎の圧が鬼の周り()()にかかっていることだ。鬼はその謎の圧に怯える様子を見せる。



「ふふっ。どうだ?俺の呪力は。」



 そう。一瞬にして空間が歪んだのは呑心てんしんが鬼に向けて、自身のをぶつけたからである。それは、鬼神伝 空鬼呑心からきてんしんの力は凄まじいと証明できるほどだった。



「少し呪力をあてたつもりだったが、お前には強かったか。」



 呑心てんしんは鬼の顔の前に「シュッ」と右の手の平を出した。すると、手と顔の間に見えない壁があるように手は止まり、打たれるように鬼は顔を押され、少し後ろへ吹き飛んだ。



「呪力で見えない壁を作り、勢いよく手を出した反動で霊力と一緒に相手へ打つ。俺の得意技だ。」



 鬼の顔は霊力が当たったことにより、鼻の骨や歯が折れ、青い血が出ている。呑心てんしんは生鬼軍師の目の前に一瞬で現れ、自分の血で書いた札を鬼の頭に貼った。



漸鬼冥惨死逅(ぜんきめいざんしこう) 怜恵秀光芒りょうけいしゅうこうぼうせん】!」



 呑心てんしんは剣印を結び呪文を言った。これは鬼の魂を元々無かったことにさせ、新たに純粋な魂を作る術。つまり、始まりの魂を新たに作ろうということ。


 藍冀公子に入っていた、霊魂(怨念)が集まった鬼の魂は体から出ていく。




── 鬼神伝 空鬼呑心からきてんしん(めい)により、怨念で溢れる魂達よ。星のごとく光に染まれ。




 一体化していた霊魂達はそれぞれ、清く輝く銀色に変わり空へと旅立っていった。




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