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邪楽 ─日の國の鬼神─  作者: 明庵 心架
第二章 一族
16/29

16 鬼神の助け





     ────止まれ。




 近くで聞こえた声により、鬼は大剣を持ち上げたまま止まった。れんはなかなか来ない攻撃に不思議と思い、目を少し開けた。そこには、暗くて見えづらいが灰色の(朝服)を来ており、髪は長く、185cmくらいの何かの仮面をつけた男が立っていた。



「…誰…だ…?」


「よく頑張ったな。あとはまかせろ。」



 仮面を外したながら言った男。一見、他の神力者が助けに来てくれたと思うが、その姿は少し違う。黒い(朝服)、おでこに角が2本と少しだけ牙が生え、赤い目には猫のような瞳孔が入っている。誰かも分からない。でもどこか安心する。そう感じたれんは目を閉じ眠った。





「眠ったか。今はしっかり休め、お子様達。」



 その声の持ち主はなんと鬼神の姿になった呑心てんしんだったのだ。呑心てんしんは向こう側で倒れていたりきを横抱きし、れんの隣に座らせ、2人の頭を撫でながら言った。



「俺の正体がバレるか分からないが、若い2人がこんなにも戦ってくれたんだ。鬼のことは俺が何とかしよう。」



 生鬼軍師の鬼は体を無理矢理動かそうと、力を出して腕に血管が浮き出でいる。



「動くわけないだろ?俺が命令したんだから。」



 鬼は今にも攻撃してきそうなほどの勢いで、ただ唸るだけ。



「俺が相手をしてやろう。」



 呑心てんしんは「ふっ」と笑い、言った。






    ───動け。





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