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邪楽 ─日の國の鬼神─  作者: 明庵 心架
第二章 一族
15/29

15 戦い



 辺りはすっかり丑の時、雨も先程より強くなっている。


 鬼兵士の鬼は走っていき、生鬼軍師の鬼の腕に噛みついた。



(鬼業界だったら、上司に歯向かう部下だな。 そうさせたのは俺だが。)



 呑心てんしんはくすくすと笑いながら思った。 れんりきは鬼同士が戦っているのを見て驚愕している。



「鬼同士で仲間割れ!? そんなことあるのか?」


「分からない。 でもここに、もう一匹鬼がいたか?」



 れんは不思議に思った。 いきなり鬼兵士が現れ、生鬼軍師の鬼へと攻撃をしているからだ。 そして、れんは柱の向こうに隠れていた呑心てんしんを見て「もしかして…」 と疑った。



「あ"ぁぁ!!!! う"あ"ぁぁ!!」


「ゔゔゔ…!」



 鬼兵士は必死に生鬼軍師に攻撃している。 生鬼軍師の鬼には地味に爪で切られた傷痕や、歯の痕ができている。 ダメージはあるようだ。



「チャンスだ! 我々も参戦するぞ。」


「あぁ!」



 霊力は使えないが、剣を使って攻撃することはできる。 鬼兵士と息を合わせながら生鬼軍師の攻撃を流し、その隙に鬼兵士が攻撃できるようにした。



「自我がない、それもあの鬼と! 協力して戦うことになるとは考えてもなかったっ!」


「それは私もだ! 上に知られたらどうなることやらっ!」


「結局同じだ!この事が知られるが知られまいが、今回の依頼は、俺達がいながら一族が全滅したんだからっ!」



 次々とくる攻撃を受け流しながら、2人は話していた。 もちろん、鬼兵士も攻撃している。



「3対1なのに、敵をなかなか倒せない!」



 自分達が攻撃を流し、鬼兵士が攻撃をするが、生鬼軍師はその攻撃を容易く避ける。 そんな戦いが続いていた。



  "人間は鬼より弱い。"

 神力修の体力も限界に近づいてきた。 それと同時に、敵も自身の攻撃を弾かれたことにイラついてきている。


 少し雲がある暗い空、静かな夜に剣が交じる音、鬼の唸り声が響き渡る。



(れんりきも限界か。)



 呑心てんしんがそう思った。



れん!一緒に攻撃するぞ!」


「分かった!」



 2人はクロスに走りだし、両方から鬼の首に向かって剣で攻撃しようと声をだした。



 れんりきが鬼へと同時に攻撃しようとした次の瞬間──


 生鬼軍師の鬼が大剣を地面に突き刺し、地面を拳でおもいっきり殴った。その反動で風が吹き、敷きレンガが盛り上がった。れんりき・鬼兵士はバランスを崩し、中に浮く。さらに、浮いている間、生鬼軍師の鬼は大剣を取り、横に振り2人と1匹を壁へ吹き飛ばした。



「っ!」

「ぐっ!」



 2人は壁まで吹き飛び、りきは気絶し、れんは意識が朦朧としていた。鬼兵士は壁まで吹き飛んだ後、力尽きたのか灰になって消えていった。2人の姿は烏帽子が脱げ、腕や顔の深い傷からは血が出てきては、ボロボロに汚れた薄黄色の(朝服)に染み付いている。りきは壁からゆっくりとずり落ち、座ったまま気絶している。れんは壁にめり込んだまま、意識をなんとか保とうとしていた。



「り…き…。(私はもう、ここまでなのか…!)」



 そして、まだ意識があるれんの前に一瞬で生鬼軍師の鬼が現れ「ゔがぁぁぁぁ!!!!!」と怒り狂った声をあげ、大剣を振り下げようとした。





 "死"が近づいてきている。





 れんはゆっくりと目をつぶった。
















       ────止まれ。




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