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邪楽 ─日の國の鬼神─  作者: 明庵 心架
第二章 一族
12/29

12 再び



「くそっ…!守れなかったっ……。」


「私は依頼人の一族すら守れず、師匠みたいな立派な神力者になれるのだろうかっ……。」



 れんりきは力強く手を握り、下を向いて泣きそうになっていた。その様子を見ていた呑心てんしんは悲しい気持ちになり、罪悪感があった。



(お子様神力修には悪いことをした。)



 自分達(神力修)がいながら依頼人の一族を守れず消滅した場合、上から呼び出され罰を受けなければならない。この罰だけで、神力修というプライドはメンタルと共に崩れていく。俺も読みが甘かった。鬼はともかく、屍は予想外だったな。兵士の屍は生きていたときの宗主への恨みが、記憶から屍になってまで怨念となったのだ。



(せめて、あの鬼は俺が祓わないと、こいつら(神力修)に申し訳ない。正体がバレない程度に鬼術を使うとしよう。)



 そうして、呑心てんしんは下を向いている神力修2人に声をかけた。



「あの。神力修さん達!宗主達はどうしたんだ?」


「あなたは!」


「藍冀の若君!無事だったのですね。よかった…。」



 れんりき呑心てんしんの姿を見ると、ホッと安心した。この人だけは守れたのだと思ったのだ。



「それで、宗主達は?」


「その、宗主様達は……。」



 2人は気まずそうな顔をした。俺はそれを察した()()をする。


 その内に、呑心てんしんは鬼が消滅する術をかけようとした瞬間─



「「「!?」」」



 屍は次々に倒れ、口から霊魂(怨念)が出ては空に浮いていた多くの霊魂(怨念)のところへと浮いて行った。もちろん、藍冀公子 藍冀利道らんきりどうの中に入っていた鬼の霊魂(怨念)もだ。すべての魂が集まると、霊魂(怨念)たちは空でグルグルと徐々に早く回転し、鬼の霊魂(怨念)と一体化していった。怨念が集まった鬼の霊魂(怨念)は、なんとも禍々しく黒い煙、オーラを放っている。風も強く吹き、前へ進めそうにない。



「今度は何がおこるんだ!?」



 りきが言った。そして、怨念が集まった鬼の霊魂(怨念)は再び藍冀利道らんきりどうの中へと入っていったのであった。




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