表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
邪楽 ─日の國の鬼神─  作者: 明庵 心架
第二章 一族
11/29

11 死



れん。 今、鬼の手が動かなかったか…?」


「あぁ。私も見た。」



 れんりきは瞬時に戦闘態勢へ入った。



「な、なんだよ…! 早く生け贄を…」


「静かに。」



 神力修は鬼を見た。 鬼の指はピクピク動いている。そしていきなり鬼がグワンと背を沿った。



「ゔ… あ"ぁ... う"がぁぁぁぁ!!!!!!」



 そのとたん、とてつもない叫び声をあげ、 藍冀夫人と藍冀宗主は耳を押さえながら、後ろに少し吹き飛ばされた。鬼の声は周りに風を吹かせるほどの威力。



「なんて声量だ…!」



 れんりきは前重心になり強く吹く風に飛ばされないよう抵抗していた。そんな中、体感がぶれずに立ち、ただただ鬼を見ていたものがいた。呑心てんしんだ。



「お子様神力修達には悪いが。 藍冀家はここで終わってもらう。」



 呑心てんしんは鬼神の姿になり鬼術を使って"鬼"へ命令をした。




    ────藍冀夫婦を狙え。 いいな。




 一見外から見ると、俺は人間らしくないことをし残虐非道をしているように見えてるだろう。




 鬼は再び叫び、藍冀夫婦の前へ一瞬で移動した。 凄まじい移動早さにれんりきは驚き固まる。 一方、目の前に来た鬼に藍冀夫婦は絶望した顔になった。 だが、人間の絶望の顔は鬼にとって大好物だ。 鬼は喜んで殺す。 そうして、藍冀夫婦へ攻撃しようとした、次の瞬間─



「お前が盾になれ!!」


「いやぁ!やめてっ!! 」




 血が飛び散った。グサッと鬼の爪が刺さったのは藍冀夫人。 なんと藍冀宗主が夫人を盾にしたのだ。 夫人は溝に爪が刺さり、口からは血を出しながら倒れた。



(藍冀家はどこまで腐ってるんだ。 一生を共に過ごす妻を盾にするなんて…!しかも一族の長である男が。)



 鬼は夫人から爪を抜くと今度は宗主の方へ攻撃をしようとしていた。 藍冀宗主は後退りをする。



「させませんっ!」



 キンッ! と音がした。 れんが鬼の攻撃を剣で流したのだ。 その内に藍冀宗主は空き部屋へ走ろうとしていた。



「こ、こんなところ!いてたまるかっ!」



 しかし、そこには自害したはずの兵士が屍となり、食べ物を待ち続けていたかのように目を光らせ立っていた。



「うわぁぁ!!」



 藍冀宗主は叫んだ。 それに気づいたりきは宗主のところへ移動し、屍から守った。そして異常な霊力を感じ、空を見上げた。



「な! これは!」



 そこには、自分たちが祓った霊魂(怨念)よりも、たくさん霊魂(怨念)が集まっていたのだ。



「宗主! この札を持ってください! 先程あなたは大きな声をあげてしまった。 早くしないとあなたも屍になってしまいます!」



 りきは守護と書かれた札を宗主へ持たせた。これは人死魂から身を守る札だ。りき霊魂(怨念)や屍から宗主を守っていた。


 れんはというと、鬼へ攻撃を出していたがすべて効果がない。 とうとうれんは鬼に殴られ、壁の方へととんでいった。



れんっっ!! 」



 そして、鬼はりきのところにも移動しれんと同じように殴られた。反応が遅れたりきは吹き飛ばされ壁にめり込んでしまった。

 守ってくれる神力修もいない、霊力で戦うこともできない藍冀宗主は必死で助けを呼ぶ。



「た、助けてくれっ!! 誰かっ!!」



 周りには屍、目の前には鬼がいる。 藍冀宗主から見た化け物達(鬼と屍)は2つの目が赤く光って見えただろう。呑心てんしんはその様子を見つめていた。



(自分の息子に殺される気持ちはどうなんだろうな。)



 鬼は長い爪を前へ出し、藍冀宗主を突き刺そうとした。



「宗主ッッ!!」



 神力修2人は宗主のところまで走り手を伸ばす。喉がつぶれそうな必死な叫び声を出し、もう少しで手が届く時─


 鬼の爪は宗主を腹を貫通した。神力修の頬に血が飛び散る。れんりきの見開いた目には倒れていく宗主が写る。そして、周りにいた屍は倒れた宗主へ飛びかかり鋭い牙で噛んだり、肉をえぐったりしている。



 そんな残酷な光景を2人は見ることしかできなかった…。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ