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邪楽 ─日の國の鬼神─  作者: 明庵 心架
第二章 一族
10/29

10 祓い



 扉の先は屍が屋敷を荒らし、霊魂(怨念)が先程よりも多く、集まっていた。



「若君から"鬼"の話を聞いた。鬼は1人いるだけでも強力だ。念のため先輩方に知らせよう。」


「そうだな。先輩方が来るまで俺達だけで時間を稼ごう。せめて、屍と霊魂(怨念)は祓わなければ!」


(いい考えだ。俺も少しは祓っとこう。)



 そうして神力修は札を高く投げた。この札は"信光礼"で高く投げるとそのまま雲の近くまで行き、強く光るのだ。この光は、神力者達しか見ることができないので民達へ影響はない。



「信光礼か。誰が来るんだ?」



 呑心てんしんは嫌な感じがしたが、ひとまず鬼をどうにかしようとした。すると、兵士達を殺していた鬼が、剣や札で祓っていたれんの方へ攻撃しようとしていた。



れんっ!危ない!」



 りきが叫んだ。れんは手を顔の前にし、目をつぶった。もうだめだと思った次の瞬間──





       ───止まれ





 指がパチンと鳴った音と一緒に鬼がびくとも動かなくなっていたのだ。神力修の2人は驚いた。



「大丈夫か!?れん!」


「あぁ。私の不注意だった。怪我はしていない。」


「よかった…!だが、鬼がびくりとも動かなくなったぞ。何がおこったんだ?」


「分からない。けどチャンスだ。今のうちに他の屍を祓おう。」


「あぁ!」



 そして、神力修2人は陣をひいたり剣で戦ったりと、次々と霊魂(怨念)や屍を祓っていった。





「ふぅ。危なかったな。鬼を止めていなかったら、あのお子様は死んでいた。ま!これで、少しは動きやすいだろう。」



 実は鬼が止まったのは呑心てんしんが影で術を使ったからだ。




「悪霊退散!」


「*鎮霊散術ちんれいさんじゅつ!」



 少し時間がかかったが2人は屍と霊魂(怨念)を祓うことができた。



(やるなぁ!あいつら!)



 そして残っているのは鬼だけ。



「ふぅ。あとは鬼だけだ!」


「あぁ。」



 すると、空き部屋の扉が開いた。



「お前が行けっ!!!!」


「なんでよ!?あなたが行きなさいよ!!」


(ん?なんだ?)



 空き部屋の結界の中にいた藍冀宗主が夫人の髪を持ちながら、外へ出てきた。夫人は必死に抵抗している。



「なぜです!外へ出ては危険だと…!」


「ええい!うるさい!こいつを生け贄にするんだ!」


「ちょっとやめて!!やめなさいよ!!」

 


 なにかがおかしいと思う呑心てんしん。他の兵士達も空き部屋にいたはずだ。



「生け贄はよくない!それに他の兵士達は…!」


「あ?あんなやつら、俺が生け贄を捧げると言っただけで自害しやがった!」



 空き部屋を覗くと、首を切って死んでいる兵士や舌を噛んで死んでいる兵士達がいた。



「なんてことを…!」



 神力修と藍冀宗主はもめていた。


 俺は遠くからその様子を眺め、今回の復讐のことをおさらいした。



 藍冀家は闇の取引もしており、使用人や藍冀魁杜らんきかいとを虐待していた。街の雰囲気はいいが、おそらく街の人は藍冀家のことをあまり知らない。



「うん。天罰がくだるくらい当たり前のことだな。」



 呑心てんしんは微動だにしない鬼を見て、眉を上げ目を細くし薄気味の悪い笑みをした。







       ───動け    







 ピクリと、鬼の手が動いた。



*鎮霊散術:霊を鎮め、体を灰にする術。"悪霊退散"と似たような術。


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