竹島戦争
戦後80年。日本には平和が続いていた。
たとえ、ウクライナで戦火が起ころうが、パレスチナで多くの人が死のうが、
日本には関係のないことのように思えていた。
台湾、北朝鮮等、懸念もあったが。
長らく、
「平和ボケ」
と言われた日本。
ヨーロッパで戦争が起こって、
まがりなりにも、EUが援助している今では
さすがにそれはないが。
それは突然起こった。
北朝鮮軍が日本と韓国が領有権を争う「竹島」に上陸したのだ。
意外なことに、実効支配していた韓国軍はほとんど抵抗しなかった。
日本政府はすぐにNSC(国家安全保障会議)を開いた。
島田防衛大臣、
「竹島は日本領、ここで行動を起こすべきだ」
広田首相、
「どんな?」
篠田官房長官、
「勝ち目は?」
園田外相、
「しかし、なぜ、韓国はすんなり上陸を認めたんだ?」
NSCは長時間に渡り議論が続いた。
そしてまずは海上保安艦を派遣することとなった。
しかしそれは間違いだった。
保安艦沈没。
その報はすぐ届いた。
再びNSC。
島田防衛大臣、
「ここは自衛隊しか」
広田首相、
「外相、米韓は何と?」
園田外相、
「韓国とは連絡取れません。米国はまず韓国にと」
篠田官房長官、
「報道規制は?」
報道規制は無駄だった。
というより遅かった。
各社こぞって放送、
「北朝鮮、動く。韓国容認か?」
海外メディアも大きく報道、
「平和国家も終わりか?」
「アジアにも飛び火」
北朝鮮は間違いなく、
日米韓に楔を打った。
園田外相、
「キムジョンウンは策士だな」
広田首相、
「感心している場合か!栗田知事はどう思われます?」
オンライン参加している竹島管轄の島根県知事は、
「出動しかないと。
昔、在日韓国人教授が、
『戦争でもしない限り、(竹島を)日本が支配することは不可能』
と言っていたが、まさしく今がいいチャンスではないか?」
広田首相、
「(北朝鮮と)軍事同盟を結んでいるロシアは?」
島田防衛大臣、
「今はウクライナで手一杯かと」
広田首相、
「保安庁の轍を踏まないためにも、人的被害を考え、
まずはドローンだな」
島田防衛大臣、
「それが・・」
首相、
「何だ?」
防衛大臣、
「日本では法規制で、ドローンはすぐには飛ばせないことに・・」
何と日本では規制区域では48時間前までに警察に通報しない限り、
ドローンは飛ばせないのだった。
海上自衛隊が戦後初めて、日本を守るために出動した。
最も近い舞鶴基地から、駆逐艦3艇。
しかし、それが後で考えると間違いだった。