8話(覚醒)
ーーー
「こいつッ!・・・隊長!この機体攻撃を通しません!!いやッ、機体の前に何か膜みたいなものが!?」
「と、とりあえず、攻撃を繰り返せ!!こいつだけでも必ず回収しなければ!!」
「ッ!!3号機が逃げたぞ!!隊長、どうしますぜ!?」
「俺に聞くなぁ!今こっちは忙しいんだよ!!」
「チッ!3号機を捕まえるぞ!俺に3機ついて来い!!・・・っなんだ!?」
1号機の周りに広がっていた、薄い膜が広がりだしたのである。しかも、その膜に触れた戦機は次々と動きを止め始めた。
「隊長!!機体が、う、動きません!!」
「な、なんだ!?何が起こっている!?状況解析班、早くしやがれ!!」
「すいまっ、、せん!解析不明、、ザザッ!・・・」
「おい!解析班、応答しろ!」
敵は次々と動きを止めていく戦機を見て、パニックになっていた。
異常をきたしている1号機の解析結果も不明であり、仲間との通信も次第に途絶して行き、さらに状況がわからなくなっていく。
いくらテロ集団でも超常的なものに対する恐怖はある。まさに今超常的な現象が起こっており、パニックにならないといのが無理な話である。そして、そのパニックが3号機が逃げるのにうまく重なったのであった・・・
ーーー
俺は何かとんでもないものを見た気がする。さっきまで攻撃を防いでいた薄い膜が広がりだし、敵機に重なった瞬間に敵機は動きを止めたのである。
俺の機体のモニターでも、複数の敵機が(no signal)と表示されているため、本当に機械自体が停止したのであろう。そうしているうちに膜は俺のところまで迫ってきていた。
「まずいな・・・俺まで止まってしまったら本末転倒だな・・・」
俺の機体も例外ではないかもしれない・・・そう思ったため、敵からではなく、膜から逃げるようにより早く7番コンテナへ走っていった。その時であった!
突然、目を疑うようなことが起きた。
特に飛べるような装備もない1号機が宙に浮き始めたのである。
そしてその時、腹部にあった青い石がさらに輝き始める。
その光は一本の光の柱となって、空に伸びていった。
・・・
その光線は、雲を突き抜け、空を割いた。
凄まじい威力だ。
曇天だった天気が一気に晴れ、晴天の空となる。
今まで、雲に隠れていてどこにいるのかがわからなかった、敵の空船が見えた。
その数秒後、敵の空船に向けて一本のビームが放たれた。