6話(蒼光)
駆けつけてきたのは、1号機であった。
一瞬のうちに4機を戦闘不能にした。今まで見たことのないような全く隙のない動きであった。
しかし、機体はかなりボロボロであり、なぜ動いているのか疑問に思うほどである。
そして、1号機はこちらを見つめていた。その顔は傷も相まって、悲しげであった。まるで、涙を流しているかのように・・・
すると
”あおい”光と共に、グキッという鈍い音が響いた。
後ろに控えていた、敵機によって1号機の片腕が落とされたのである。
「隙あり!!」
俺はすかさず、敵機に間合いを詰め、頭部をナイフで切り落とし、1号機の無事を確認するため、振り返ったのだが、1号機は座り込んでいた。もう使命を全うしたような雰囲気であった。そして、腹部からは、八面体のような宝石上のナニカが蒼く輝いていた。
「おい!大丈夫か!?聞こえるか?1号機のパイロット!返答できるか?」
俺は必死にパイロットの安否を確かめるべく、何度も声をかけた。しかし、いくら立ってもなんの返答もない。
そうして、頭部のコックピットを確認しようとした時、
後頭部が大きくえぐれていた。しかし、コックピットがある場所には、何かコネクターみたいなものが刺さっていた。
「こいつ、まさか自動型なのか・・・?」
そんなことを思っているうちに敵機がこちらへ集まってくる。
「くっそぉ・・・どうすりゃいいんだ?」
どうやら、基地のほとんどの制圧が終わり、残る俺たちのところに集まってきたようである。その数は30機以上であると推測できる。
ナイフはさっきの使用でエネルギー切れ。残る武器は拳のみである。
「約束は守れそうにないが、俺だってタダでは死ねないね!」
俺ももう限界であり、捨て身で特攻しようとした。
しかし、そうした時、当然1号機が動き出したのである。
1号機からは、蒼い光が漏れ出していたのだった。