5話(共闘)
その敵の背後に立っていたのは、俺の機体によく似た戦機であった。すると、敵も気付いたようで振り返るが、遅いようだ。その戦機は素早く敵機の頭部にナイフを差し込み、横のもう一体を格闘術で倒した。
「すごい・・・どんな、パイロットなんだ・・・」
そう驚く俺、しかし、残った最後の一機が似た戦機に攻撃しようとしていた・・・
が、何者かの狙撃で頭部が潰れ、動きが止まった。
「なんだ!??」
発砲されたと思わしき方角を振り向くと、そこにも俺の機体に似た戦機が。
「こいつら・・・まさか極秘開発されていると噂されていた、戦機の1号機と、2号機か!?」
カメラを拡大してみると、胸部に(r-01)と(r-02)と書かれていた。やはり推測通り、俺の機体が3号機で、他に1号機と2号機の合計3機、製造されていたようだ。
『見た感じ的に、01の方は、近距離特化型、02の方は、狙撃専用機といったところだな。』
そう推測していると、1号機は敵の方へ向かって走っていった。2号機は、引き続き上空や、ビルなどの高台にいる戦機を狙撃している。
よし、俺も!とも思ったが、俺の目的は戦闘ではなく、この機体を7番コンテナへ運ぶことである。戦ったことで少し興奮している。冷静な判断ができるうちに7番コンテナの方向へ向かうとしよう。
ーーー司令室ーーー
「どうやら、敵に見つかったようですね・・・」
「場合によっては、ここを放棄する選択もある。そうなった場合全員7番コンテナまで走れよ」
「「了解です」」
ビビビッ!!
「!!! 7時の方向こちらに向かい5機接近!」
「第2、3番砲撃班担当!こちらの支援を求む!!」
「2番班、現在通信つながりません!!」
「3番班、支援了解とのこと。」
戦いが激化している現在どこの砲撃班も余裕はないのである。
「各員!!衝撃に備えよぉー!!」
ドォーーーーーン!!!
「キャアーーー!!」
「グハッ!」
司令部に砲撃が直撃したのである。一応司令室は対ビームコーティング材で出来ており、頑丈ではあるのだが、流石に5発も直撃を喰らうと、ただでは済まない。
現状として、ガラスが割れ、一部天井が落ちてきている。
「総員、撤退!!7番コンテナへ急げ!!ゲガ人は優先して運べ!」
しかし、敵は逃さない。
「ッ!! 前方に敵! クッ、ここまでか!」
絶望である。
ガンッ!!
「・・・ッ3号機か!?」
3号機が敵を殴り飛ばしたのである。敵は倒され、体制を整えるまでには時間がかかりそうだ。
『皆さん!今のうちに逃げてください!!ここは俺が食い止めます。」
「・・・わかった。総員、速やかに撤退せよ」
ーーー
カッコつけてみたものの、敵はまだ4機いる。どうしたものかと思っている時、心強い助っ人が来たのである。