4話(初陣)
ーーー司令室ーーー
「ラムダ司令長!3号機が動き始めました!どうやら現在はバレットライフルのみを装備中です。どうなさいますか?」
「何ぃ!?3号機は動かすな!さっさと7番コンテナへ運べと言っただろッ!」
「す、すいません!!」
「ちっ!3号機のパイロットと通信を結べ!」
「り、了解です!こちら2番司令室!3号機パイロット、応答求む!!」
3号機の計画とは違う行動、敵機の思ったよりも早い進行。司令室も次第に余裕がなくなってきているのが伺いできる。
・・・
やっと、外に出ることができた。現状は予想以上に酷いことになっているようである。さまざまな場所で火災、爆発が連続的に発生しており、事態が本格的に深刻になっているようである。
要塞都市といったものの、ここにいる人間はほとんどが実践経験のないものばかりである。ぱっと見であるが、もう24区内の半分が制圧されているようだ。
すると何やら、2番司令室というところから通信が入っているようだ。これは俺が出るとまずいのだろうか?仕方がない出てやるか・・・受話選択をしようとした先に鈍い光が飛んできた。
「な、なんだ!?」
敵の攻撃である。
「ぶ、武器の使用は、、、ここか!?」
どうにかしてバレットライフルから撃ち出された銃弾は敵の機体に撃ち込まれていった。
「うおおおおおおおおお!!」
敵機のカメラセンサー部がグシャグチャに割れ、蜂の巣に穴を開けるように、機体の装甲を銃弾が貫いていく。俺はただがむしゃらに打った。
多分だが、銃の標準をAIが自動的に合わせてくれているのであろう。しかし、今の俺にはそんなことを考えている余裕はない。
気づけば敵機は動かなくなっていた。しかし、これでひと段落というわけには行かないようだ。横を見ると、司令室らしき場所が狙われていた。
「まずい!!」
俺は一目散に敵に目掛けて走っていった。
「こ、こいつ!なんだ!?」
敵も俺に気付いたようで、攻撃をしてくる。しかし、このR型機という機体は本当に俺の脳で想像した動きを精密に反映させていくる。
「確か、B型機のコックピットは・・・頭部だ!」
軍学校で習った知識を思い出しながら敵の弱点を暴く。
俺は敵の攻撃を避けつつ、敵機の頭部にナイフを差し込んだ。
「ぐわあぁぁああ!」
ナイフを刺した瞬間に敵機は動かなくなった。この時だけでなく、先程も人を撃ったと言うのに、罪悪感などはあまり湧いてこない。こんな緊急事だからであろうか?とりあえず軍事学校で習ったことがこんな時に生かされるとは思いもしていなかった。
ビビビッ!!
『こちら、2番司令室!!聞こえr・・・ガガッ!おい!3号機パイロット、聞こえてるなら返事をしろ!!』
何やら司令室から緊急通信が入ったようである。
「はい、聞こえてますよ」
『ん?シドウのやつとは声が違う・・・ッ誰だ!貴様は』
「あー、一応Unity本部の従業員ですー・・・ちょっと今話すと面倒ですね・・・」
『くっ、こんな時に・・・まぁ、味方陣営ならいい。今から率直に言う。その3号機を7番コンテナまで運べ。』
「確か・・・先程聞きましたような気がします」
『なら話が早い。もう一つだ。それを絶対に壊すなよ!!以上だ。』
ガガガッ!
なんなんだ、一体!突然通信を繋いできたかと思ったら、一方的に話やがって。しかも、めちゃくちゃ上から目線だった。俺が助けてやったと言うのになんなんだあの態度は!そう怒っている俺に目掛けて、上空から複数の攻撃が降り注いできた。
「うおッ!なんなんだ、一体?」
目の前には3体の敵機が入り込んできた。
「3体かよ・・・きついけどやれるな。俺!」
俺は自分自身を奮い立たせ、武器をバレットライフルにも持ち替え、敵機に向けて打ったのだが、先程の敵とは違い、銃弾を全く受け付けない。
「こいつ、正式採用型のB型機か!てか、なんでcocの奴らが持っているんだ!?」
そう言っているうちに敵の攻撃準備が整ったようで俺に目掛けて打ってくる。俺は今までしたくなかった、転がりつつ避ける選択をした。
「うっ!やっぱりこのコックピットは回転には対応していない!気持ち悪りぃ・・・」
3体の敵を前にしつつ、どうしようかと迷っていた時、その敵の背後に俺の乗っている機体によく似た戦機が立っていた・・・
挿絵入れました。伝わり難いかもです…
早く設定画を完成させなければ…