1話(戦慄)
西暦2105年、東京都、特例軍事都市区画、24区。ここは5年前のwpcが提案した、先進国特例都市軍備拡張計画によって東京湾を埋め立てることによってできた新区画なのである。軍事都市区画というだけあって、この都市はまるで要塞のように出来ている。そして、ここには国際軍事武力組織であるunityの本部が建設されている。現在ここにはある軍事計画が進行しているのだが・・・
・・・
ドンっ!
「あっ、すいません!」
「ったく!最近の若いもんは、周りが見えとらんのか」
俺は、エクス・マキナ。23歳。18歳までは、フランスでの軍事学校に留学しており、近年の軍事拡張計画によって、このunity東京本部に配属となった。
自分の担当は、軍機のデザイナー部門である。今は軍会議である新型軍機での会議に向かうところなのであるが、あいにく寝坊してしまい、まだ慣れていないこの24区を徘徊しているところである。
「はぁはぁ、やっとついた・・・」
俺は急いでカウンターへ向かう。
「エクス・マキナです。認証お願いします。」
「了解です。少々待っていてください。・・・ 認証完了です。お通りください。」
はぁ、全く毎日ここを通っているってのにすんなり通してくれたっていいじゃないかと思うところもあるが、数年か前に軍事ビル内で、cocによるテロがあったのだから仕方ない。こうしているうちに、16階のミーティング室についた。
「すいません!エクス・マキナただいま着きました。」
「おい!エクス、遅いぞ!会議は始まっているぞ。早く入れ!」
こうして怒鳴られながら自分の席に着こうとした瞬間、轟音が響いた。
『空襲警報!空襲警報!戦闘員は直ちに各持ち場で戦闘準備を開始せよ。非戦闘員は、民間人を優先して避難させよ。これは訓練ではない。繰り返す、これは訓練ではない!』
2度言われてようやく理解した。cocが襲撃してきたのだと。
「まずいぞ!ここから逃げなくては!」
「自分だけ逃げれると思うな!」
皆がパニックになっている。ここは自分だけでも冷静にならなくては。
しかし、俺はそんなことを思いつつも、無我夢中でシェルターの方へと走っていた。
そして気づけば、目の前にシェルターがあった。このシェルターにはざっとあと数人は入れるだろう。俺はここで入らなと助からないかもしれない!と考えてしまい一目散に走って行った。
しかし、シェルターに向かう道から爆風が。
俺は吹き飛ばされていた。
「いってぇ・・・」
吹き飛ばされた体を起こし目を開けると、なんとシェルターへの道は塞がれた。
すると横の方には、普段は閉まっているシャッターが開いていた。
緊急時だからであろうか、どうなのかはわからない。走ってきた通路は火が広がって戻れそうにない。
そう、俺はこのシャッターの方へ向かうしかないのだ。
「くそっ!なんの理由でなんかで攻撃をしてくるんだよ・・・」
そうぼやく俺の前には巨人のようなものが立っていたのだった
1月24日、改訂