13話(新型機)
「ほぉ、これが新型機(p-05-c)か・・・ コピー品とは言え、(signal)のp型機にも劣らないクオリティだな」
「ええ。同感です。だがなぜこれがあの異端児に与えられたのか・・・ 上層部も何を考えておるのかわかりませんな。しかも専用機ということで専用カラー付きという特待ぶり。なぜそこまで愛出ておるのやら・・・」
「まぁいい。信用があっての待遇だ。我らがあれこれ考えても無駄というもの。実際にこれで実績を作れば、我々にもそれなりの報酬が出るだろうさ」
「それもそうですが、、、2年前のような大ごとだけにはならないことを祈るのみですな」
「ああ・・・」
このような心配事の話をしていたのは新型機の披露会兼、性能試験会の責任者として指名されたビリー少佐とマガド中尉であった。実際2年前には新型機の性能試験時に一人のパイロットが暴走し軍事施設を破壊するという事件があったのだ。もちろん、犯人であるパイロットは銃殺刑。事件の責任をとった当時78番要塞主任であったナタナドル大佐もまで同様に銃殺刑となり事件は終息を迎えた。当時副主任であったビリーはこの事件のことを一番知っており、上層部がナタナドル大佐を消すために図った事件であると睨んでいたのだが、真相は闇の中であった・・・
上層部からはこの事件のことを外部に漏らすのを固く禁じており、その事件を打ち消すが如く、今回この基地で新型機の発表となった。
「今回も何が起こるかわからん。少しでも異変があったら私に伝えろ」
「ええ。承知しております」
・・・
ーーー
「いいよなぁ。マリーだけ先に新型機に乗れて!しかも専用カラーでよ」
「まぁ、今までの実績を見れば私たちよりも優れておりますからねぇ。だがしかし、今までの戦機とは違い、関節部が球体である機体・・・そう簡単に乗れますかね?」
「やってみなくてはわからないわ。それよりあなたたちは今日の発表会には参加するの?」
「一応な。どんなもんか見てみたいし」
「ええ。私も性能・・・動きが見てみたいですしね」
「そう・・・」
「そんなことより、(プラズマ)ってのはどんなもんなんだ?お前一応テストを受けてみたんだろ?」
「確か・・・関節部の駆動系に人間の脳波を直接リンクさせ、頭で考えるだけで機体を動かせるという技術のことだそうな・・・」
「そんな楽なものではないないわ。それは理想であって実際のリンク率は30%がいいところよ。脳に強制的に電流を流すのだからそれ以上リンク率を上げれば、脳が焼き切れるわ。実際に使用中はずっと頭が痛いし、何なら使用後の数時間はずっと痛いもの」
「まぁ、そんな楽なもんだったら俺たちパイロットは何のためにいるんだって話になるもんな」
「噂では薬で耐性を上げられるらしいから、いつかは生きたCPUとして扱われる日が来るのかもね」
「倫理とかはないのですかね・・・」
「勝つためには何でもやる。戦争屋のお家芸なのさ」
「・・・そろそろ時間ね。私は行くわ」
ーーー3番格納庫内ーーー
「准尉、お待ちしておりました。全ての準備は整っております」
「ありがとう。操縦メンテナスンスは何分ぐらいかかりそう?」
「そうですね・・・osの慣らし的にも5分はかかるかと」
「わかったわ」
「あと、(プラズマ)のリンク率設定は任意に任せます」
「了解。それではお疲れ様」
ーーー
『操縦系は従来のものとはあまり変わらない・・・変わったところといえば、、、』
「、、、自分自身ね」
『ザザッ!!開会まで10分切りました。起動のことお願いします」
「了解。それでは(p-05-c)起動するわ」
そして、起動スイッチを押す。
「マリー・ローゼス准尉、p型機起動!!」
ピィーーーーーン!!
頭部の単眼式のセンサーが光り、コックピットのモニターに周囲の映像が映る。
「(プラズマ)接続申請。リンク率は15%からスタートします」
『了解。リンク率15%スタート。出力開始』
その瞬間にマリーの脳内に電流が走った。
『クッ・・・!15%でこれか・・・やはり慣れないものね』
このp型機運用するための理論上ではリンク率が45%程度が機体をアシストするのに適した数値ではあるが、人体的には30%を超えると脳に後遺症が残るリスクがあり、30%以上に上げる際にはパイロットの承認が必要なようになっている。だからと言ってその他の操作はマニュアル式で対処可能であり、ある程度の技量があるパイロットには低倍率で十分に操作可能となっている。
『それではシャッターを開けますので、任意のタイミングで行ってください』
「了解したわ」
そして格納庫のシャッターが開けられ、ついに新型機のお披露目となる。




