10話(脱出2)
「って、これ置いていかれるやつか!?」
俺は船を傍観しているわけにはいかない。どうやら急がないと乗せてもらえないようだ。
そう思い、船に向かって走ろうとするが、敵がそれを逃さない。
「くっそ!まだ動けるやつがいたのか!?」
そう言っている俺の前に2機の敵機が現れた。
どうして倒そうか迷っている俺の目の前にボロボロの2号機が来たのである。俺が気づかないうちに色々とあったようである。
2号機は、ロングレンジライフルの砲身の方を持ち、まるで鈍器のように扱っている。だが、すでにボロボロの2号機には勝機がないようだ。次第に敵の攻撃でさらにボロボロになっていく。
そうした時、俺のモニターに (unit 2 explosion・・・10 second ago)と表示された。どうやら2号機は、10秒後に自爆するらしい。一大事である。
「10秒って、もっと前から言ってくれよーっ!!」
巻き込まれると思った俺は一目散にここから離れた。
1号機も2号機もだが、なぜかこの3号機を優先して助けているように思う。どうやらそうプログラミングされているようだ。この機体には、他の2機を犠牲にしてもいいような価値があるのだろうか?そう思うと尚更、船に届けなくてはいけないような気がした。
そう思っていると、2号機が爆発した。俺の走っている場所に残骸が飛んでくる。かなりの威力だ。
7番コンテナの船までもう少し。そう思い、俺はなるべく力強く走るイメージをした。すると走るスピードが上がり、船までもう少しだ。残っていた敵もこちらの行動に気づき、攻撃を仕掛けてくる。まさに瀬戸際である。俺は当たらないと信じ、船へと飛び立った。
ドン!
船への乗艦に成功した。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
俺はその時点でかなり緊張がたるんだ。戦闘が始まり、ここまで1時間弱。たかが1時間であるが、いろんなことがありすぎた。とりあえず従来の目標を達成したのだが、まだ仕事が終わってないようだ。この船の司令室らしきところから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ザザッ!3号機聞こえるか?とりあえず、ここまで運んでくれて感謝する。ご苦労と言いたいのだが、もう一仕事残っている」
「・・・なんでしょうか?」
「まぁ、そんな難しいことではない。その機体を収容コンテナにまで運んで欲しいのだ」
「コンテナって・・・7番コンテナだった場所にですか?」
「いや、これはただのダミーだ」
「じゃあ・・・どこに?」
「今開ける」
そうしていると、7番コンテナ前の床に穴が空いた。
「そこに降りたところが収容コンテナだ。入った後は各所のメカニックの指示に従ってくれ」
「了解です。ところで、僕の扱いってどうなるんですか?」
「ああ・・・お前は、その機体(3号機)のパイロットだ」
「え?」
そう驚いている俺に緊急入電が入った。
とりあえず東京編はこれで終了です。
ちなみにノアノフ(7番コンテナの船)についてなのですが、一番上に7番コンテナがついており、下に巨大な船があるという感じです。例としては、氷山の一角をイメージしてもらえればと思います。7番コンテナが海面上に出ている氷で、本船が海面下に隠れている氷という感じです。
自分で書いていても分かりずらかったので補足しました〜
これからもよろしくお願いします。




