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いざ敵国侵入


 闇の魔女が脱獄して一週間近く経過した。移動手段が徒歩のみ且つ迂回して進んでいる為、時間がかかっていた。


 脱獄の手伝いをした騎士だけでなく、モール王国の姫である闇の魔女も慣れた様子で野宿をしていた。


「ハールはいつまで追跡するのかい?」


「ん〜、資金や食料はあるから野宿とかは心配はないが……、特に決めてなかったな」


 様子が気になったついて来たが、これと言って面白いことはなかった。あったことと言えば、スカサハが鳥と喧嘩したり、暗部が偶に襲って来たりするくらいだ。


「それじゃあいっそ、世界を旅でもしたらどう?」


「旅、かぁ」


 スカサハの提案に何処か懐かしむような顔をハールはしていた。


「ハールは旅、した事あるのかい?」


 懐かしむハールの事が気になったスカサハは興味深そうに尋ねた。


「少しだけならな、師匠が修行の時に傭兵として戦争に何度か参加したんだよ」


「なるほど、君の師匠ならやりそうだね」


「ただ、修行に重点を置いてたからな、戦争の事くらいしか覚えてないな。そう考えると旅をするのは楽しそうだな」


「行くなら行きたい所あるんだよね〜」


 そう言って、スカサハは()()()『世界の名所百選!』と書かれた本を取り出した。


「いつの間に手に入れてたんだ……」


「ふふん、冒険者達が忘れていったのを拾ったのさ!」


「泥棒猫め」


「ふふん♩」


(旅、か。師匠がよく話してくれたのを思い出すな)


 ハールの師匠はハールが5歳の頃に孤児院に訪れた。年齢も高齢で、せっかく身に付けた技術の後継者を世界を旅して探していた所にハールは出会った。転生したはいいが、魔物や治安も悪いこの世界では戦う力が魔法だけでは死ぬかもしれないと考えていた所に師匠が来たのは、ハールの短い人生の中でも第一位にくる幸運だとハールは考えている。


(まあ、弟子入りするのは大変だったが、この世界である程度身を守れる程度には強くなれたのは感謝しかないな)


 既にハールの師匠は老衰で亡くなったが、ハールは身に付けた力を少し使い、兵士としてアッシュ王国に使えていた。


「ハール、次はモール王国に行くんだよね?」


「あの二人の行動を見るにそうだろうな」


「じゃあ、僕は『モープの農場』に行きたい!」


「モープの農場か、有名な所だな」


 モープとはモール王国を代表する特産品モープの毛を生やす、全長2mの羊の魔物だ。温厚な性格で愛嬌のある顔をしているため、モープを育てる農場は観光地としても有名である。


「モープのお肉はとても美味しいと聞くからね。是非とも食べてみたいんだ」


「よし、じゃあモール王国に着いたら向かうとするか」


「決定だね。……そう言えばモール王国ではアッシュ王国のお金使えなかったよね?どうする予定なのかい?」


「初めてだけど()()()()()()に登録しようかと思ってる。」


 異世界定番の冒険者ギルド、しかし、ハールは幼い時は年齢制限で、師匠と共にいた時は傭兵業をしており、つい最近までは兵士をしていた。


 色々あってハールにとって冒険者ギルドは初めてだった。


 翌日の昼頃、二人組について行くと国境が見えて来た。国境とは言っても幾度となく起こる争いにより、壁は存在しない。


 それに、この世界は地球の言う所の中世代の半ば辺りだ。魔道具が盛んな国は近代位の成長度合いらしい。



「よし、モール王国に行くぞ」


 そうして、ハール達はモール王国の国境を越えて行った。













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