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夢日記  作者: 病気
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あとがき

 この項はエッセイです。夢日記ではありません。

 気付くと、最後の記述から半年以上が経過していた。その間何も夢を見なかったかというともちろんそんなことはないが、ろくに覚えているものは一つも無い。夢とはそんなものなのである。目覚めてすぐに、覚えよう、思い出そうと何度も頭の中で反復しない限り、その日の昼にはもうすっかり忘れてしまうのだ。夢日記を書くという行為への熱を失い、起床後すぐに反芻する習慣を失った時点で夢の世界は遠のいた。ほとんど即座に。

 この夢日記は2022年の夏ごろに集中して書かれており、若干の脚色はしているものの、だいぶ頻繁に印象に残るような夢を見ていたことが伺える。そしてここに残されている文書を読み返すと、そのすべての夢の世界の情景を頭の中に確かに思い浮かべることが出来る。思い出さなければ遠のくが、思い出しさえすれば定着するのだ。夢はあくまで記憶なのだ。現実に起こったことではないにもかかわらず、思い出として自分の中に存在する。

 夢日記を書くことをやめ、そのための夢の反芻もやめたのは単に飽きて面倒になったからと言うだけだが、当時は確かに夢の世界を毎日冒険しているような感覚があった。現実世界の自分の脳が健康でいる間に限るだろうが、その気になればいつでも再び夢の世界の住人になれるのだろう。夢は往々にして幼稚で不可解で理不尽で、物語の整合性も無く、時に宇宙の法則さえも無視するが、だからこそ楽しい。そしてどんなに無茶苦茶であっても、夢だから、という無敵の言い訳が成り立つ。

 人生において過去に訪れた土地をいずれ再び巡りたいと思うように、夢の世界もその候補地の一つとして、優先順位を上の方に置いておくことにする。


2023年3月16日

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