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第8話 俺の戦略。気持ち悪いって言わないで

俺は、もう一度春葉に会うためネモフィラ王国に舞い戻る。

そしてそこで、昨夜徹夜で考えた女子ウケ重視⭐︎大作戦を決行するのであった!

男子たち!一旦俺の気持ち悪さには目を瞑ってくれたまえ!

俺の少女漫画スキルを舐めるなよォ!(これは現世で取得済み)

もう一度春葉に会うことを決めた俺は、ネモフィラ王国まで空間移動(テレポート)した。

今回空間移動(テレポート)した場所は、もちろんあの学校だ。おっ、ちなみに空間移動(テレポート)は普通に成功したぞ。よくある、空間移動(テレポート)に失敗して浴室でヒロインと鉢合わせ!みたいなことはなかったです!男子たちよ、次は失敗します!



あいつは、学校で子供たちに勉強を教えているようだったので、この場所を選んだのだが。さすがにピンポイントでここにはいないか…。俺は、春葉を探しながら学校を歩いた。


暫く歩くと、見覚えのある姿があった。


トリスだ。



「よぉ!久しぶりだな!元気してたか?」


トリスは俺を見るなり、なぜかものすごい剣幕でこちらを見ていた。


「は?誰ですかぁ?まさか不審者!?」


こいつ、俺の事忘れてる?!って、しまった!俺があいつと会ったのはトモゾウの姿をの時であった。いかん、今の俺は完全に不審者だ。 ヤバい、ヤバい。


「すまん、人違いだったようだ。君はこの学校の生徒かな?」


俺は咄嗟に軌道修正した。


「なんだ、びっくりした。私は、ケットシーのトリスです。この学園の高等部2年。あなたはここで何をしているのですか?」


高等部の2年。つまり俺たちと同い年。にして小さい。色々と小さい。この世界では、人々の成長が遅いのか?それともケットシーだから?


「俺は、ハルハ女王を探している。もし居場所を知っていたら教えて欲しいのだが…。」


俺は、いきなりだがトリスに女王の居場所を聞いてみた。まずは情報収集だ。さすがの俺もそう簡単に春葉が見つかるとは思っていないしな。


「ハルハ様なら今、下級生のクラスで授業をしていますよ。教室はあっちです。」


なんと!まさかこんなに簡単に春葉の居場所が分かるとは。あいつが学校にいるという俺の読みは確かだったらしい。伊達に10年以上あいつらと一緒にいねぇな。


それにしてもトリスのやつ、ここの学生だったのか。という事は、城の仕事はアルバイトって訳か。若いのに関心だぜ…。


トリスに別れの挨拶をした俺は、早速その教室へと向かった。

そして教室に着くと、ちょうど授業が終わったところだったようで次々と生徒たちが教室から出てきていた。




「どうも。ハルハ女王。僕をお探しですか?」


俺は早速教室へ突入した。


春葉はこちらを見るなり、この間と同じように凄く驚いた表情をし駆け寄ってきた。


「あなたは…!探していたのですよ。」


春葉は、なぜだか凄く顔を赤らめていた。


「それはそれは。僕もまたお会いしたいと思っておりました。よろしければ少し学園の中を歩きませんか?」


そう言って俺は、春葉と学園の中を歩いて回った。俺と春葉は暫くの間黙って歩き続けた。




「ハルハ様、僕を探しておられたとは。光栄でございます。」





春葉はすぐに返事をしなかったが、うつむいた顔を上げ俺の目を真っ直ぐ見つめ言うのだ。


「あの…ずっと探していたのですよ!街を探してもどこにもいないし…あたなは一体何者なのですか?!


ずっと、ずっとお会いしたかったのです!」



そう言って、春葉は顔をグッと近づけ俺に迫ってきた。





おおお、おい?!


正直こんな事は初めてで、さすがの俺も動悸が止まらない!春葉との距離。今までは正直2人で並んで歩く程度がマックス距離であった。


ど…どうする、俺!


俺は非常に焦った。だって俺は外見や能力は変わっていても、中身は何ひとつ以前と変わっていないのだから!


いや待て。

俺にも女心の一つや二つ押さえる事はできる。なぜなら、あいつらに勧められて少女漫画やら韓国ドラマやらで散々勉強してきたからな。





よし。ここは…





必殺!【平常心で動じない】!!




「そうですか。ありがとうございます。ハルハ様からそんな有難いお言葉が頂けるなんて。ますます光栄です。」


女子の急接近にも動じない俺!素敵!それにしても、春葉の方も中々攻めた行動である。わざとか?でもまあ、今はそんな事はどうだって良いのだ。俺は俺のやり方で勝利を掴むのみ。どんなせこいやり方でもな。


そうして歩いているうちに俺たちは、あの桜の木の前まで来ていた。



「綺麗な桜ですね。」


春葉は、あの時のように空を見上げながらそう言った。

そして俺のターン。


「そうですね。桜の木。なぜだか分かりませんが、桜の木を見ると何か大切な人を思い出さなければならなない気持ちになります。それと同時に凄く切ない気持ちになるんです。


でも不思議ですね。ハルハ様を見ているとその気持ちが晴れやかになります。」





おっと、男子たちよ!ちょっと気持ち悪いとか思い始めてないかァ?!

よく思い出せよ?俺は今超絶イケメンだからな!お前らのよく知ってる名探偵小学生の薬を飲む前の姿くらいイケメンだからな。今は気持ちを沈めて聞いてくれ。


ちなみにこれでも俺は、結構攻めたつもりだ。

そうして俺は持ち掛ける。



「ハルハ様。僕はあなたに言わなければならない事があります。今夜お部屋まで伺ってもよろしいですか?」


春葉は、俯いていた。


さすがに攻めすぎたか?


そして春葉は、そのまま口を開いた。


「は、はい…。今夜、お部屋でお待ちしております。」



そう言って俺と春葉はその場で別れ学校を後にした。



なかなか臭いセリフで攻めた主人公キセツは、今晩ハルハ女王の部屋で何かを打ち明ける模様。

次回、春葉の胸の内も明らかに!?


毎度昭和な次回予告すみません…。

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