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第7話 俺は戦いを再認識する

やっとの思いで王室までたどり着いた俺だが早速女王に気づかれた!?

ここで気づかれるのは、さすがに現在ハイスペックイケメンな俺でもダサすぎる…

頼むから一旦出直させてくれ!

ー「学園の桜は咲いていましたか?」







バレた…そう思った。





「ルピナス中央学園の桜ですね。本日確認して参りましたところ、満開でございました。」



俺…じゃなかった…?

俺は、近くまで来ていた人影を確認するべくそっと物陰から覗いた。


「そうですか。では、そのまま維持できるよう努めなさい。」



そこに立っていたのは、まさに春葉であった。

なんとなく予感はしていたが、やはり俺が予想していた【その】人物だったのだ。


「かしこまりました。それでは失礼致します。」


今の人物は、春葉の側近だろうか?よく姿は見えなかった。

今ここで姿を現したら完全に俺は不法侵入者である。


迷った挙句、俺は一旦部屋の外に出る事にした。


さきほどの会話からすると、春葉は城の者に桜が咲いているか確認させていた…という事になるか。あの使いは、「満開だ。」と報告していた。という事は、次は春葉本人が直接桜を見に行く可能性が高い。


そう予想した俺は、空間移動(テレポート)で学園付近へと戻った。




学園の正門前に着くと、やはりそこに女王ハルハの姿はあった。




「ハルハ様!こんにちは!」


「ハルハ様!」


ネモフィラ王国の国民たちが集まっていた。


「ハルハ様!」


「ハルハ様!ハルハ様が教えてくれたお勉強とっても楽しかった!また教えてね!」


どうやら春葉は、自ら学校へ出向いて子供たちに勉強を教えているようだった。実にあいつらしい。



俺はこの辺で一旦国へ戻ろうかと思ったのだが、躊躇(ためら)った。


俺は何のためにこの世界に来た?

せっかく目標人物(ターゲット)に接触できそうな機会、逃す訳にはいかない。咄嗟に足が動いた。



俺は、女王ハルハに近づき(ひざまず)いた。



「ハルハ様。ご機嫌よう。この満開の桜、ハルハ様のようでとても綺麗ですね。」


そう言って俺は、春葉の手の甲にキスをした。

我ながら臭い事をした。が、今の俺は、ハイスペックなので問題なし!なのである。


春葉は、一瞬驚いたような表情を見せたがそっと微笑んだ。


「ありがとう。初めてお目にかかりますね。国民の顔は、全員把握しているつもりでしたが、そうではなかったようです。ごめんなさい。あなたの事、忘れないわ。また会いましょう。」



どうやら、俺の事をネモフィラ王国の国民と思っているようだった。確かにこの世界では、国同士の付き合いは全くないようなので他国の王の顔を知らなくても不思議でない。そしてネモフィラの警備。国外の奴が簡単に侵入できる訳はない。まあ、名前を聞かれなかったにが幸いだったが。(また、トモゾウのような名前を口に出してしまうといけないからな…。


しかし、俺は中々俳優であったな。正直、春葉には現世界の記憶を持った上で接するかどうか迷っていたが、咄嗟に全て忘れたフリをする という決断に至ったのだ。だが、相手が現世界の記憶を持っているかは探る事が出来なかったというのはこの潜入捜査唯一の失態だ。


この学校の風景。春葉が作った物なのか、それともレイニの仕業か…どちらにせよ、さっきの春葉の様子だと記憶はない…のかな。俺のように記憶のないフリをしている という線もあるが今は考えても仕方がない。俺は一旦国へ戻って、再度作戦を練る事にした。



城に戻った俺は、改めて【ハルハ】についての攻略法を考えた。


記憶の件は明らかにする事は出来なかったが、あの警備の徹底っぷり、そして教育の強化は、まさに俺の知る【川乃木 春葉】である。記憶の件は、一旦置いておいて性格は前世界と変わっていないとすると、攻略もそれほどむずかしくないな。


もし記憶があったとしたら という話をするが、アイツらの事なので前世界で俺が秋風に告白し、秋風は全て手の内を明かした というところまで知っていると考えて間違いないだろう。俺が振られてから、この世界に来るまでのあんな短時間でそこまで他の奴らに知れ渡る事があるかって?


おいおい、女子の連絡網をナメるなよ。アイツら女子は、体に電波でも付いてんのかというくらい発信は速いのだ。


過去に中学の頃、当時俺と同じクラスだった女子がバレンタインにチョコレートをくれた。それで俺はホワイトデー当日、お返しの事をすっかり忘れて帰宅しちまったんだが、家に着くなり、夏里から鬼電があった事は言うまでもない。


全員家に帰った瞬間だぞ?ちなみに内容は「季節、ホワイトデーのお返し渡してないらしいじゃん」だとさ。女子の連絡網は光の速さだ。恐るべし…


そんな事を思い出していた。





ーコンコン。


「キセツ様。お戻りになられたようで。」



俺の帰りを聞きつけたバロールが部屋を訪ねてきた。

何やら重苦しい表情だ。


「あの、キセツ様。ネモフィラ王国の女王と面会されましたか?」


面会…というか、まぁ顔は合わせたな。


「おぉ、会ったぞ。それがどうかしたか?」

そう俺が尋ねると、バロールは話し始めた。


なんでもバロールが言うには、今ネモフィラ王国では、女王が俺を探しているらしいのだ。もちろん、俺は国民を装って女王に会った訳だから国内を探し回っているとの事。


これはマズイ。もちろん俺は、ネモフィラ王国の国民ではないので探しても見つかる訳もない。バレた時の事を考えると寒気がした。


そしてその事を伝え終わったバロールは、部屋を後にした。


俺はまた考える。


…待てよ。俺は今、超ハイスペック尚且つ王様。この展開は逆に利用させてもらう方が得策ではないか?


俺はもう以前の俺ではない。


以前の俺を一言で言い表すとすれば、まさに【陰キャラ】。

これはお前たちには話していなかったな。そう、俺は自他共に認める陰キャラなのだ。そのため、校内では、陰キャラなのになぜか4人の美女がくっついていると一部の目立つ男子の間で有名人になってしまった俺は、それはそれは苦労したさ。思い出したくもないので、詳細は割愛させてもらう。


一概に陰キャラと言ってても、俺は皆んなで賑やかに というのが苦手なだけでそれを避けて来た結果、クラスでは陰キャラ枠に収容された というだけの話だ。まぁ、このハイスペックさ加減で大喜びしてる辺りで俺が冴えないやつだったということには勘付いていただろう?


それから俺は一晩中策を練った。


という訳で、俺は再びネモフィラ王国へ向かう!


この持てる力全てを利用し、次は勝利を手にする。


これが本当の異世界戦争の始まりであった。

戦わなければならない事を再確認した俺は、再びネモフィラ王国へ出向く事にした。

予想外のこの展開、利用しない手はないからな!

次回、俺の有志を見届けてくれ!


最後までお読みいただきありがとうございます。

執筆速度がチンカスで困っていますが、よろしければブックマーク、評価よろしくお願い致します!

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