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第5話 ネモフィラ王国に潜入!それにしても、特殊スキルがちょっとヘボい。

リアンカと共にネモフィラ王国を目指す事となった主人公キセツ。

どうやら、この国の警備は半端じゃないらしい。

転生後は、ハイスペックな俺だがさすがに切り抜けられるか心配である…

俺は、リアンカとネモフィラ王国の入り口に向かって歩いていた。


「そういえば、バロールから調査結果を聞いた。俺を嗅ぎまわっている奴がいたんだって?」


「はい。女王の配下がキセツ様の事を調べている所までは分かったのですが、なにせ警備が厳しいもので、あと少しのところで、警備蜂に見つかってしまい、森へ戻りました。」


ちょっと、ちょっと。見つかったって、もしかしてそれで更に警備が厳しくなっちゃってたりするんじゃないのぉ。まあ、潜入捜査は決して安全なものではない。己の犠牲を顧みず、潜入捜査に参加してくれた精霊たちには感謝しなきゃな。


そうしているうちに、俺たちはネモフィラ王国の入り口付近へとたどり着いた。


「お前は小さいから何とか隠れて入り込めるだろう。俺は、ここから特殊スキル透過効果を使うので、お前にも俺の姿は見えなくなる。俺は、お前の後を付いていくが万が一逸れたと見識した際は、お前はすぐに森へ帰還してくれ。俺の事は大丈夫だ。」


リアンカは静かに頷き、俺は特殊スキル透過効果を発動した。


城までの道のりは、まず入り口から通過しなげればたどり着けないらしく、俺たちはそこから長い道のりを歩いた。どうやらこの透過効果とは、自分を透明にするだけで、姿形を消す訳ではないため壁などを通り抜ける事は不可能なようだ。俺は、透過効果がどのくらいの時間発動可能なのか分からなかったので、何度も自分の姿を確認しながら歩いた。今、事前に確認して来いよ!と思ったか?それは、その通りだ!素直に謝ろう!ゴメンナサイ…


それにしても、凄いなリアンカのやつ。こんなに複雑な道のりを覚えているなんて。


なんて感心しながら俺は暫く歩いていた。






「キセツ様!身体が!」


リアンカが振り返りそう言った。俺の身体が少しずつ元に戻っていたのだ。俺の透過効果はここまでのようだ。持って30分ってところか。



「おい!お前!何をしている!」


後ろから、男の声がした。




「リアンカ、お前はここまでで良い。この先の道のりを教えてくれ。」


そう言って俺は、この先の道をリアンカから聞き、彼女を森へと帰還させた。入り口は、警備がかなり厳しかったのでこの特殊スキルがなければ入国する事は難しかっただろう。


俺は、その男からなんとか逃げ切り、この先はなんとか身を隠して城まで向かう事にした。それにしても、このスキル、何かしらで時間を伸ばせたりするんだろうか。帰ったら調べよう。


そして俺は、リアンカに言われた通りの道のりを歩いた。


バロールが言っていた通り、この街の住人はエルフが多いようで、耳の尖った種族が大勢いた。また、相当他国を警戒しているらしくそこら中に警備蜂が飛び回っていた。警備蜂とは、エルフが作り出せる警備用の小型モンスターらしい。見つかるとお尻の針で侵入者を刺し、気絶させ、何処かへ連れて行かれるらしい…。恐ろしい子!!


そうして歩いていると、この国で最大規模と見受けられる学校を見つけた。


この学校、俺たちが通っていた中学にそっくりじゃねえか。

そうして、俺の中学の頃の忘れていた思い出が蘇った。




ーあれは、卒業式だったか


桜の木は、まだ蕾だった。





「きーせーつー!もうすぐ卒業式始まるわよ。」




「ああ、春葉か。どうした?」


「どうしたじゃないわよ!季節が教室にいないから、呼びに来たんじゃない。」


「悪い。そういえばお前、俺たちと同じ高校で良かったのかよ。春葉ならもっと上、行けたろ?先生たちも、勿体ないって言ってたぞ。」






そうだ。春葉は、中学の頃から成績優秀だった。それなのになぜか平均レベルの俺たちと同じ高校を選んだんだ。



「いいの!夏里も秋風も湖冬も同じ高校に行くんだよ?私だけ別々なんて寂しいじゃない!それに…」


「どうした?」





「何でもない!今日でこの桜の木を見るのも最後ね!ちょっと寂しい。」


春葉は、そう言って空を見上げた。その表情は、なぜだかとても曇っていた。






「別にそう遠くはないんだし、また桜が咲いたら一緒に見に来ようぜ。」










すっかり忘れていた。あの時、俺は見に行こうと言ったけど結局高校生活が楽しくて春葉との約束の事を忘れていたのだった。でも、あいつも何も言っていなかったし、もう2年も前の事だ。あいつも高校の友達とかすげえたくさん出来てたし、忘れているのだろう。


この国の学校にも同じ所に桜の木が立っていた。お花は、満開であった。





俺は、学校の横を通り、それから暫く複雑な道のりを何とか切り抜け、とうとう城の前に到着したのであった。

忘れ去られていた記憶を突然思い出したキセツ。

キセツたちが通っていた学校にそっくりな学校があった、とうことはここに住んでいる女王はやはり前世界でえの記憶を持ち合わせているのだろうか。

次回、いよいよ城の中に潜入!!と、思ったら、馬の糞まみれ!?

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