表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/7

03ストーリー


「いや〜ごめんねー。うちのニコが迷惑をかけて。わたしの名前はジェシカ。君たちは高等部の新入生だよね?・・・うん、これからよろしく!」


さっき追いかけていた、紫がかった黒髪の子がそう言ってきた。ちなみに追いかけられていた桃色髪の子は未だに頭を鷲掴みにされている。


「あぁ、よろしく。俺はアイズ。こっちはヘレナだ。田舎から出てきたばかりで右も左も分からないから、色々教えてくれると助かる。」


俺が紹介したからか、ヘレナはお辞儀するだけにとどめている。


「ほら、あんたもちゃんと挨拶しな。ニコ。」


ジェシカがそう言うと、桃色髪の子、ニコは抗議した。


「ちょっと!!ジェシカがいつまでも馬鹿力であたしの頭掴んでるからできないんでしょ!・・・もう。えっと、あたしはニコって言うの。そこのでかいだけが取り柄の女とは心外だけど幼馴染みなの。」


「誰がでかいだけの女だ!あんたがちっこいだけでしょうか!」


「っな!そんなことないもん!べぇーーだ!!」

 

「あ、ちょっと!!どこ行くの!!...あーあ、また逃げられちゃったか。ほんとごめんねーうちの子が。」


ジェシカは本当に申し訳なさそうにそう言った。


「いや、俺たちなら大丈夫。それよりも、なんでニコのことを追いかけてたんだ?」


「それはね、ニコがさっき言った通り私たちは幼馴染みなんだけど、ニコは小さい頃からいたずら好きでね。今日も私がお昼寝してる時に、あの子が顔に落書きしようとしてたところをちょうど捕まえようと思ったら、逃げられちゃって。追いかけてたところだったんだよ。」


「そ、そうだったんだな。仲が良さそうでなりよりだ。」


「あんなのでも根はいい子だからねー。本気で怒るに怒らないんだよね。」


ジェシカは男勝りな出立ちに、苦笑いを浮かべている。


「でも、そういうことなら、ニコを追いかけた方がいいんじゃないか。すごい早さで逃げていったし。」


「そうだね。ありがと、お二人さん!……あっ、新入生なら事務室があそこの玄関を通ったすぐにあるから、そこで手続きしてくれると思うよ。それじゃあ、また今度ね!」


「ああ、またな。」


「また今度。ジェシカさん。」


俺とヘレナがそう言うと、ジェシカはニコの逃げ去っていった方向に体を向け爆速で砂埃を撒き散らしながら去っていった。




「嵐のような人たちだったな。」


「そうね。でも、楽しそうな人たちでした。」


兎にも角にも、俺たちはジェシカの言っていた事務室を目指すのであった。


レビュー、コメント、評価などありがとうございますっ!ストックもできたので安定して更新できると思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ