02ストーリー
「へぇー。ここが王都ディスタか。」
「さすがに王都だけあって発展してますね。」
そう感嘆の声を漏らす俺たちの前にあるのはディスタリオン王国一の繁華地にして、王国の王都、ディスタである。
周りを囲うのは、巨人族の体当たりでも傷一つ付かないであろう、堅牢な石壁。それに守られるように広がる市街地。そして、その中央にある、高さ100メートルを優に超えるであろう豪華絢爛な王城。その全てが、今まで村の生活しか知らなかったアイズと、ヘレナを圧倒するには十分なものだった。
「ここから、俺たちの新しい生活が始まるんだ。」
新しい出会い、進展に心を躍らせ、アイズたちは城門を叩いた。
...........だが、そう簡単にはいかないようだ。
「身分証の提示をしろ。それと、怪しいものがないか馬車をチェックさせてもらう。怪しい動きをするなよ!」
門の前の列に並んでいたら、高圧的な態度で、調査をしに来たらしい兵士がこう言ってきた。やはり、楽には王都には入れないようだ。
「まずは身分証の提示を、.........................ん?アイズ......
..........=バレンシア??姓持ち?ということは...............................しっ........失礼しました!!まっ......まさか貴族の方々が一般人の列にいるとは思わず!」
兵士はアイズが貴族だとわかるや否や手のひらを返したように、丁寧な態度をしだした。現金なものだ。
そういえばよく師匠が、人が平民であっても、貴族であっても真摯を持って対話をすべきだ。と言っていたのを思い出す。
「では、こちらの令嬢の身分証も規則ゆえ確認させていただきます。..............ヘレナ。......貴族ではないのか?...どうして平民と貴族が一緒に?...........」
「もう、通ってもいいですか?」
「は......はい!御時間を取らせてしまって申し訳ございません!!どうぞ!お通りください!!」
少し.........ほんの少しだが................................不愉快だ。
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一悶着ありつつも、無事門を通ることができた俺たちは、師匠からもらった王都の地図を頼りに、ディスタ学園へと向かう。
道中は、ヘレナが物珍しい屋台や店に吸い寄せられるのを止めるのに苦労したこと以外は何事もなく学園に着いた。
正式名、王立ディスタ学園。
王国始まって以来の三百年の歴史を持つ、王国の最難関にして、最高峰の学園。
貴族の子供は、この学校を目指して教育を受け、平民の子供は、この学校に入学することを夢に見る。
まさに王国のトップを語るにふさわしい学園。
そんな偉大な学園の扉を今、ノックし.................
「待ちなさーい!こらぁーー!!ニコぉーー!!!」
「やぁーーーーい!!やっなこったーーー!!あははーー!!」
.................ようと思っていたらこっちに向かってダッシュしてくる二人組を見つけた。
追いかけているらしい女の子は、紫がかった黒髪で、なかなかの長身を巧みに使って追いかけている。
逃げている女の子は対照的に背が低く、桃色の髪をゆらゆらとさせながら逃げている。多分、身体能力強化系の魔法を使っているのだろう。若干だが走り方に違和感を覚える。
どちらも違うタイプの美少女で、将来引く手数多になるだろうと容易に想像できるほどの人たちだ。
「あ、、すいませーーーん!!!そこのお二人さん!!そのちっこいの捕まえてくれませんかー!!!」
「え?つ、捕まるって、どうやって?!」
「多少手荒でも構わないから!!」
と言われても、初対面の女の子相手に拘束系の魔法を使うというわけにもいかないし、というか事情も知らないからどっちに味方するべきかも分からないが.............................よし。
「ディレイ!」
ディレイ"対象の動きを阻害し、思考すらも遅延する魔法。
これなら、手荒なこともせず、安全に捕まえるサポートができ............................................
「でぇふぅ!!!」
変な声をあげながら桃色髪の子は盛大にこけた。
ま、まずい。顔面からスライディングに行くようなこけ方をした。は、早く手当てをしないと。。。
「ナイスお二人さん!!ニコ!!覚悟はいい!!」
「きゃーーーー!!許して、ジェシカーーー!!!」
「いいえ、今日ばかりはもう許しません!!!」
「ぎゃーーーーーーーー!!!」
こけた事には一つも心配の色を見せず、逆に追い討ちをかけるようにジェシカと呼ばれた子が桃色髪の子に鉄拳制裁をくらわし始めた。
「やぁーーーーめーーーーーでーーーーーー!!
混沌とした現場に、俺たちは項垂れるように呟く。
「「俺ら(私たち)の学校生活、どうなっちゃうの。」」