00ストーリー
晴れ渡る太陽、学生達の溌剌とした声の響くグラウンド。
そんな気持ちの良い日に、ある学校のグラウンドの一角はどよめきと驚きに包まれていた。
ミスリル製の試験用ゴーレム。
圧倒的物理的防御と魔法防御を兼ね備えた、破壊するどころか傷一つ付けることが出来ないはずの試験用ゴーレムが、ある一人の男子生徒によって粉々に破壊されていた。
周囲が驚きの声で包まれている中、中心にいる男子生徒は項垂れるように呟いた。
「どうして、こうなった..........」
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突然だが、この世界には魔法というものが存在する。だが、全員が魔法を使えるというわけではない。
およそ100分の1の確率で魔法に適性を持つ子供が生まれてくる。
そんな時勢。俺、アイズも、運良く魔法の適性を持ちこの世に生をうけた。
しかし、俺はとても危険な魔法に適性を持っていたらしく、それは、暴発をすれば簡単に自分の命も失ってしまうようなものだった。
その魔法の名は、黒魔法。
別名、崩壊魔法とも言われるこの魔法は、超強力なのにも関わらず、その使い勝手の悪さや、適性のある人の圧倒的少なさから、日常生活や、実戦でも使われている場面はあまり見られない代物だ。
そんな危険な黒魔法を安定して使えるようにと俺の師匠は徹底的に俺に魔法の教育を施した。
訓練のときだけは、あの温厚な師匠も、鬼のように思えたものだった。
そんな俺は、両親に会ったことがない。死去したとかではなくある日旅に出ると言って、それっきり連絡がないのだという。
だが、自分には師匠兼育て親のような存在がいたから寂しいと感じたこともなかった。というか、寂しいとか以前に訓練ばかりやっていて、そんなことにまで頭が回らなかったのだ。
そんなこんなで少年は、無自覚に、世界最強に育てられながら、青年へと成長していった。
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