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♥ 曽井子駅 5 / 退魔師として 5


 ひとがたに突き刺さった朱雀の羽根は激しく燃えている。


 青龍は口から破壊光線みたいなのを放って、1番上の憑きモノを攻撃している。


 えっ……、おっかないよ?!


 しんしてせいじゅうになった破壊力って、ヤバくない?!


 あっ、青龍の口から出てるのは破壊光線じゃなくて氷のブレスだ。


 憑きモノがカチコチに凍ってる!!


 冷凍ビームかぁっ!!


 3体が攻撃をしていると、5つの体力ゲージは物凄い早さで減少していく。


 半端ない!!


 せいじゅうって強い!!


 気持ちいぐらいにゲージは減って、とうとう点滅をし始めた。


「 ──滅っ! 」


 オレの背後から、聞き慣れた声がした。


 声がしたあとなにかがヘドロに直撃した。


 そのあとに、ヘドロは跡形もなく消滅してしまった。


 ヘドロがた場所には、青龍,朱雀,白虎がるだけだ。


なにが…… 」


「 全てのゲージが点滅したら、核の破壊を出来るようになるんだよ。

  核さえ破壊すれば簡単に倒せるよ 」


「 ──げん

  しん出来たんだな! 」


めぐが時間稼ぎをしてくれたお蔭だよ 」


 腰が抜けてるオレは立てないまま、2m近くある高身長なげんを見上げる。


げんぅ〜〜〜。

  時間、掛かり過ぎじゃないか?!

  オレ、大変だったんだぞ!! 」


「 うん。

  見てたから知ってる♪ 」


「 見てた??

  『 見てた 』ってどゆ事だよ! 」


「 慌てふためきながら必死に式神へ指示を出してるめぐが面白くて、助けるのが遅れちゃった♪ 」


「 〜〜〜〜げんっ!!

  から見てたんだよ、コラァ!! 」


マコラ()が数珠玉へ戻った所かな 」


「 結構前からじゃないかよっ!! 」


「 そうだね 」


「 『 そうだね 』じゃないよっ!!

  もっと早く助けてほしかったよっ!! 」


めぐ、頑張ったね 」


 げんはオレに向かって優しく微笑みながら、立ち上がれないオレに両手を差し伸べてくれた。


 げんに抱き上げられたオレは、幼児みたいに抱っこされた。


 危険が去ったのか、青龍はとぐろを巻いて休んでいるし、朱雀は羽根の毛繕いをしている。


 白虎は大きな欠伸をして太くて長い尻尾をゆらゆらと揺らして、寝そべっている。


 寛ぎ過ぎじゃないですか?


げん、ヘドロ──いや、ヘドロじゃないんだけど……、あの化け物はどうなったんだ? 」


「 核を壊したから消滅したよ。

  余分なモノは取りのぞけたから、安心していいよ 」


「 ──じゃあ、もう人形が増えたりしないって事? 」


「 さぁ?

  それはどうかな?

  人形を操っていた本体は消滅してないからね 」


「 してないのかよ?!

  じゃあ、かに潜んでるのか? 」


「 そうかもね。

  悪意は感じないし、放っといても大丈夫だよ。

  きちんと供養さえしていたら悪さもしないよ。

  奇妙な現象,事象も不思議な現象,事象も不可解な怪奇も大幅に減るよ 」


「 でも無くならないんだろ? 」


「 愛嬌だと思って大目に見ればいいよ 」


「 …………それが出来ないから、じょれいの依頼をしたり、御祓いの依頼をするんだろ〜〜〜。

  最近ではじょうれいなんてのも流行り出してるみたいだしさ 」


じょうれいね…。

  人間の身勝手なエゴで祓っても成仏はしないよ 」


「 エゴって…… 」


「 無報酬でしないんだから、私利私欲を肥やして儲ける為の商売だよ。

  善意があってしても真の善意にはならない。

  偽善で祓うのは逆効果になるね。

  めぐが被害に遭わないなら、どうでもいいよ 」


「 偽善だってさ、集まれば善にはならないのかな? 」


「 ならないよ。

  偽善はあくまでも偽善でしかない。

  どんなに偽善が集まっても善にはならないよ。

  偽善でも人間を助ける事は出来るし、助けられた人間も大勢るだろうけど、偽善は心が伴わない行いになるから、功徳は積めないね 」


「 心の問題って事か? 」


「 そうだね。

  真心や心掛けに拘らなければ、形だけの偽善で好きなだけ人助けをすればいいし。

  人間相手にするなら、行為に対して感謝はされるからね 」


「 そ、そうなんだ…… 」


よどみも無くなったし戻るよ 」


「 うん…。

  ……げんならさ、本体を見付け出して、退治する事なんて楽勝なんだろ? 」


「 楽勝だね 」


「 じゃあさ、なんで見付けて退治しないんだ?

  そしたらさ、とおるさんが駅で1年に4回も訪問彼岸供養いとなむ必要は無くなるんじゃないのか? 」


「 無くなるね 」


なんでそうしないんだ? 」


「 供養をされたがっているだけの彼等に対して、退治なんて乱暴な手段を使えると思うの? 」


「 …………げんはしないよな… 」


は供養をしてほしがった彼等には寛大で優しかったよ。

  御祓い,じょれい,退治をするよりも、自ら無償で供養をいとなんでいたぐらいだからね 」


「 …………オレはじゃないんだからな! 」


「 知ってるよ。

  霊魂たましいは同じでも、人格は全くの別物だからね。

  前世の記憶はたましいの奥底に眠っていて、本来は思い出せないものだし、めぐは終わってしまった前世(眞小呂)の事は気にしないで、めぐだけの人生を生きたらいいよ。

  前世(眞小呂)に拘らなくてもいいし、縛られなくてもいいんだよ 」


「 うん…。

  ……げんが本体を見逃すなら大丈夫なんだよな?

  また化け物になったりしないよな? 」


「 供養を怠ったり、しなくなったら、なるのは確実だね。

  供養をめずに続ければいいんだよ 」


「 …………駅の依頼は解決…したんだよな? 」


「 した事にすればいいよ。

  本家へ提出する報告書はワタシが書いて送っとくよ 」


「 うん、任せた! 」











 ──こうして、父さんから回された駅の依頼は、無事に( ? )解決させる事に出来た。


 帰りにまきむらしゃへ寄って、とおるさんに事情を話さないとだな。


 それに駅の駅長さんや駅員さん達にも詳しい事情を話さないといけない。 


 オレはげんに抱っこされたままの状態で、駅の駅長室へ向かうのだった。

◎ 力尽きたので、やや強引に完結させる形になりました。

  うろ覚えで陰陽師モノを書くのって大変ですね。

  検索したり調べる努力をするのが面倒なので、大した知識の無いまま好き勝手に書きました。

◎ 最後まで読んでくださった読者さん、有り難う御座います。

  暇潰しになったなら幸いです。

  

  

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