♥ 曽井子駅 4 / 退魔師として 4
まるで千手観音のパクリみたいになってるよ!!
然も、1本1本動いてるし!!
何かグレードアップって言うの?
パワーアップしてるよね??
ゲームで言うと第◯形態ってヤツだよね?!
これ……ガチマジでヤバいんじゃないかな??
点滅していたゲージの色も青に戻っていてMAXになってるし!!
ゲージの数は変わらず3本だけど、さっきよりもゲージが長い。
体力は倍になってるみたいだ。
…………早く玄武に丸投げしたい!!
オレは気を取り直して、糸を触って式神達に攻撃を促す。
防御力を優先させる陣形だから、攻撃力が下がるのは仕方無い。
だけど、防御力を優先させる陣形に変えて正解だったみたいだ。
さっきのヘドロも攻撃をして来たけど、疎らな複数攻撃だった。
今度のヘドロ── もうヘドロじゃないけど ──は、複数攻撃はして来なくて、単体攻撃が殆どだけど、全体攻撃もして来るようになった!
錫杖を持ってる手が、単体攻撃を繰り出して来て、真ん中の人形が全体攻撃をして来るんだ!
長い髪を使ったり、口から怪しい呪文を唱えて全体攻撃を繰り出して来る!
下腹部は液体をピュッピュッと飛ばしているだけだから、攻撃はして来ないみたいだ。
全体攻撃を凌げる陣形にしといて助かったぁ〜〜!!
上と中央のゲージの色を順調に削っていくけど、色が変わる手前で体力が回復してしまった。
どうやら1番下が、減少した体力を回復させる役目を担っているらしい。
厄介じゃないか!!
先ずは、回復が出来ないように1番下のゲージを削らないといけない。
だけど、1番上と中央は命綱の1番下を守る為に容赦なく攻撃を繰り出して来る。
厳しいっ!!
さっきの戦闘よりも遥かに厳しいよっ!!
オレの腕は既に限界を迎えようとしている!!
誰か助けてっ!!
──あ゛っ、しくじった!!
マコラを前衛に移動させちゃったよ!
元の位置に戻さないと!!
思った矢先にマコラの式神に全体攻撃が直撃してしまった。
攻撃をモロに受けたマコラは光に戻ると数珠玉の中へ戻ってしまった!
やってもうたぁ〜〜〜!!
マコラの位置にビカラを移動させて空白を埋めた。
此処まで来てたのに、ポカをするなんて……。
気を付けないと!!
──何とか3段目のゲージを削る事が出来た。
だけど、式神が3体も数珠玉の中へ戻ってしまった。
残っている式神はシトラ,サンテラ,バサラ,クビラ,アニラ,インダラだけだ。
戦闘力の高い式神が残ってて助かる!
前衛の上にサンテラ,中衛の上── 前衛のサンテラの斜め左背後の位置 ──にインダラ,左横にシトラ,左横にバサラ、前衛の下── バサラの斜め左前の位置 ──にをクビラを移動させた。
アニラを後衛── シトラの背後 ──へ移動させて、オレの前で防御に徹してもらう事にした。
戦力になる式神が残ってくれているお蔭で、全体攻撃をしてくる真ん中の体力ゲージを何点滅するまで削る事が出来た!!
だけど、犠牲が痛かった。
戦力のサンテラ,補助と攻撃のインダラが数珠玉の中へ戻ってしまったからだ。
残っている式神は、バサラ,クビラ,シトラ,アニラだけだ。
戦力が3体も残ってるんだ、未だ行ける!!
何としても上のゲージを削るんだ!!
式神に指示を出して上段のゲージを着実に減らしていく。
その途中で、バサラが数珠玉の中へ戻ってしまった。
戦力ーーーー!!
貴重な戦力がっ!!
バサラの代わりにアニラを移動させる。
3体でゲージを減らさないといけなくなった。
何か…シトラが愈々ヤバそうだ。
防御と攻撃を兼ね備えたシトラが居なくなると辛いよ!!
クビラは未々暴れ足りなそうだから、大丈夫かも知れない。
アニラにはシトラとクビラの補助をさせる。
もう少しでゲージが点滅させれる!!
あぁっ、シトラとアニラがぁぁぁぁあああああっ!!
ダブルで数珠玉の中へ戻っちゃったよ!!
クビラだけになった。
何とかクビラだけで、ゲージを削って点滅させる事が出来た。
──やった!!
やったよ!
3つのゲージを点滅させる事が出来た!!
だけど、この後がどうしたらいいのか分からない。
クビラも限界が近いみたいだ。
クビラは様子を見ながら、オレの前に立ちはだかって盾になってくれている。
またヘドロの姿が光り出した。
さっきよりも眩しい光だ。
嫌な予感しかしないっ!!
光が消えると、ヘドロの姿が変わっていた。
下の黒いのは更にグロさが増しているし、真ん中は1人だったのに3人に分裂している。
背中に無数に生えていた腕は消えていて、漆黒の翼が生えている。
右側にある背中の左側に1枚と左側にある背中の右側に1枚だ。
中央の背中からは………………何て言葉で表現したらいいのか分からないモノが憑いている??
蠢いていて気持ち悪い。
ゲージの数は──、5つ?!
これは……全滅するヤツだ。
クビラだけじゃ無理だ。
数珠玉の中へ戻った式神を再度呼び出しても勝てるんだろうか??
全身の力が抜けてしまったオレは、クビラの背後で座り込んでしまった。
恥ずかしいかな、腰が抜けてしまったんだ。
オレの両腕は限界に達してしまったのか、プルプルと震えている。
もう、腕を伸ばして糸を触るなんて出来ないよ……。
明日から筋肉痛は確実だぁ〜〜〜!!
ああっ!!
オレの前に立ちはだかって盾になってくれていたクビラが──、真ん中の人形が放った攻撃を受けて数珠玉の中へ戻っちゃったよ……。
式神が居なくなってしまったから、ヘドロと対峙しているのはオレだけになった。
玄武ぅっ!!
オレ、時間稼ぎ頑張ったのに──、未だ鬼神化出来てないのかよ?!
オレ……、戦えないよ!
1人じゃ何も出来ないよ!
オレ──、此処で死んじゃうのかよぉ〜〜〜!!
「 ──玄武っ!! 」
もう、駄目だと思ったオレの頭上を何かが飛んでった。
何が──なんて言わなくても分かる。
鬼神化を遂げた青龍,朱雀,白虎だ。
白虎は1番下のグロい黒いのを鋭い爪と牙と咆哮を放って攻撃をした。
朱雀は大きな2枚の羽根を広げて中央にある3体の人形へ目掛けて大量の羽根を雨のように降らせている。