♥ 曽井子駅 2 / 退魔師として 2
「 惠梦の手が震えてたからね。
気を紛らわそうと思って 」
「 オレの為に?
〜〜〜〜(////)
有り難な…(////)」
玄武の優しさが嬉しい(////)
「 怖がる惠梦も見ていて飽きないし、ワタシは好きだよ 」
「 オレで楽しむな! 」
前言を撤回したい!
「 余分なモノを取り除ければ、人形が増えるとか、奇妙で不思議な現象,事象も不可解な怪奇なんかも無くなるんだよな? 」
「 弱まりはするだろうけど、全く無くなる保証は出来ないね 」
「 玄武でも無理なのか? 」
「 ワタシは人間に作り出された式神だよ。
〈 久遠実成 〉ではないから、完全に無くす事は出来ないね 」
「 そっか……。
供養をしてもらいたくて怪奇を起こしてるんだよな?
ずっとしてもらえていた供養がされなくなったから、供養を止めさせた人間に怒って、怪奇を起こしていたんだよな?
今は透さんが訪問彼岸供養会を営んでるけど、霊観が弱いから、満足いく供養が出来ていないから、それに対しても怒ってる…… 」
「 今は致仕方無く甘んじて受けている──って感じだね。
不十分な供養だから、彼等の怒りは鎮まらない。
行き場のない怒りが、不可解な怪奇、奇妙な現象,事象、不思議な現象,事象として現れている──。
そんな感じだね。
人形が増えるのを止めるには、本体を退治するしかない 」
「 うん…… 」
「 寅,辰,酉を鬼神化させて四聖獣に進化させるには時間が必要になる。
惠梦、ワタシが渡した数珠は持っているね? 」
「 うん、何時も身に着けてるよ。
ちゃんと腕にしてる 」
「 十二支の寅,辰,酉は使えない。
残りの子,丑,卯,巳,午,未,甲,戌,亥を呼び出して時間稼ぎをしてほしい。
出来る? 」
「 動物の姿でか? 」
「 心配しないで。
戦闘する時は人形に転身するから 」
「 それなら安心かな…。
子と卯にオレを守らせて、丑,巳,午,未,甲,戌,亥で一斉攻撃させればいいかな? 」
「 前衛,中衛,後衛と分けるといいよ。
戦力になる干支をバランス良く前衛と中衛に分けて配置して、上手く入れ替えて戦わせるんだよ 」
「 えぇっ?!
一斉攻撃は出来ないのかよ… 」
困ったぞ…。
子,丑,卯,巳,午,未,甲,戌,亥から前衛,中衛,後衛を選んで陣形決める……。
寅,辰,酉が抜けてるのって痛手だな……。
先ずは戦力になる,ならないで分けないとだ。
先ずは前衛だな。
上から──、午,亥,戌はどうかな?
中衛は上から──、丑,甲かな?
後衛は上から──、卯,未,巳はどうかな?
子はオレの前に居てもらって防衛に集中してもらう──と。
午,亥,戌,甲は攻撃系だし、丑は攻撃系と防衛系だろ、巳は攻撃系と補助系で、未は防衛系、卯と子は補助系…………う〜ん……これで大丈夫かぁ?
「 玄武、ちょっと9体で陣形を考えてみたんだけど、チェックしてくれないかな? 」
「 惠梦が良いならいいよ。
惠梦に渡した数珠の中に宿る十二支は本体の欠片だけど、ワタシから供給しているテフを受ける限りは、本体に負けない戦闘力を発揮出来るからね。
安心して良いよ 」
「 うん……。
そう言えばさ、陰陽師ブームでアニメ,漫画,小説,ドラマ,映画が流行ってるどさ、十二支の名前って十二神将の名前と違うよな?
何でだ? 」
「 眞小呂は十二神将を意識してなかったからね。
動物が好きだったから十二支をモデルにして式神を作ったし 」
「 そうなんだ…。
じゃあ、数珠に宿ってる十二支が人形に転身したら、カッコいい十二神将みたいな姿になるのか? 」
「 惠梦……。
転身は擬人化と違うから期待しない方が良いよ 」
「 そうなのか? 」
「 人間の考えた諸天善神諸菩薩をモチーフにした姿に転身するよ。
惠梦の思うような格好良さは期待出来ないんじゃないかな 」
「 マジですか… 」
「 ──惠梦、そろそろ着くよ。
準備して 」
「 分かった!
──我、瀬圉惠梦の命に従い、此処に現れ出でよ!!
十二支のビカラ,シトラ,マコラ,インダラ,サンテラ,アニラ,アンテラ,バサラ,クビラ!! 」
十二支の転身後の名前を呼ぶと、腕に着けてる数珠玉が光だした。
数珠玉に宿っている十二支の9体がオレの目の前に現れた。
…………確かにアニメ,漫画,小説の挿し絵,ドラマ,映画の十二神将の格好良い姿とは似ても似つかない姿だった。
…………諸天善神諸菩薩の姿をモチーフにしているだけあって、何て言うか……神々しい!!
……これに命令するのかぁ〜〜〜。
何か罰が当たりそうで別の意味で恐いよっ!!
「 惠梦、指示して 」
「 あ、うん…。
──陣形を展開!
前衛に上から──、サンテラ,クビラ,バサラ!!
中衛に上から──、シトラ,アンテラ!!
後衛に上から──、マコラ,アニラ,インダラ!!
ビカラは、我の前で防衛!!
──各自、戦闘態勢に入れ!! 」
頭の中で考えた陣形をイメージすると、9体の式神達が何故かクルクルと回りながら位置に着く。
あぁ〜……何かこれと似たの見た事があるぞぉ〜〜〜。